2016年5月10日、パイオニアはトップエンドのナビ&AVシステム、「カロッツェリア・サイバーナビ」シリーズをフルモデルチェンジ。ハードウェアからユーザーインターフェース、、ナビ能力、AV能力、ドライブサポート能力などを一新したカロッツェリア「サイバーナビ」シリーズを発表した。
■新ユーザーインターフェース
従来比3倍以上の処理能力とし、ストレスのない滑らかな操作性を実現。ピンチイン/アウトをはじめ多彩な操作方法にレスポンスよく反応する。また、機能アイコンのサイズやレイアウトを自在に変更できる、新デザインの「HOME画面」と「メニュー画面」を新設定した。
ドライブ状況の変化に合わせて最新の情報を、画面表示と音声でドライバーに通知する「ライブインフォ」や、通信で取得した情報や操作キーなどを地図上に重ねて表示できる「マルチレイヤマップ」、地図画面時に、ルート確認やビュー変更などよく使う機能をすぐに呼び出せる「インスタントメニュー」などを新たに採用している。
操作はドライバーが運転中でも簡単・確実に操作できるサイバーナビ専用の「スマートコマンダー」と画面タッチのいずれでもでき、さらに後部座席の同乗者がスマートフォンで本機を操作できる「リヤスマートコマンダー」アプリに対応している。
なおカーナビ起動音をはじめ、各種効果音は、音楽プロデューサー中田ヤスタカ氏(CAPSULE)が制作を担当している。
■ナビゲーション
新液晶ディスプレイは従来モデル比約70倍の色階調表現ができ、新地図データフォーマットを採用。道路なども見やすく表示できるようになっている。
新開発の自車位置精度専用システム「レグルス」と「6軸3Dハイブリッドセンサー」を採用、3種類の衛星(GPS衛星32個、グロナス衛星24個、みちびき衛星1個)の同時受信、GPSの補正用「SBAS」衛星2個に対応することで自車位置精度を従来より向上。
リアルタイムで走行履歴データを共有するサービス「スマートループ」で長年蓄積されたプローブデータをサーバー上で高速演算し、時間・距離・料金・効率まで考慮した最適なルートを探索する通信利用の「スーパールート探索」を採用。ETC料金の時間帯別割引料金にも対応している。さらに「スマートループ」を通して蓄積されたプローブデータをもとに、急ブレーキが多い地点をデータベース化して収録し、地図上に「ヒヤリハット地点」として表示。ルート誘導時や通過前にはドライバーに音声で注意喚起する機能も持つ。
また気象庁が発表する特別警報を即時表示したり、警報のおよぶ範囲を地図上に表示する「VICS WIDE」に対応し、従来のFM多重放送よりも詳細な渋滞情報まで考慮したルート探索もできる。
■AV
オーディオ基盤とカーナビ基盤を独立構成にし、オーディオのノイズを徹底排除し、基板上の信号伝送・電源供給パターンを最適化した高音質設計により高音質を実現。高性能48 bitデュアルコアDSPなど高音質オーディオにこだわったパーツを採用している。
また、自然なサウンドのつながりを実現するスピーカー調整用の「ネットワークモード」を搭載。音楽ストリーミング機能「ミュージッククルーズチャンネル」では日時や目的地、自車位置などのドライブ状況に合ったチャンネルをレコメンドする「ライブレコメンド」や、スマートフォン内の楽曲も再生できる「MCCライブラリーモード」などの新機能を追加している。
またリヤモニターにAV画面を映し出せるほか、独立したAVソースを再生する「リヤセパレートモード」にも対応している。
■ドライブサポート
新開発された「マルチドライブアシストユニット」(フロントカメラ、Gセンサーなど)と連携し、前方車両と接近した時に注意喚起する高度な画像認識技術を用いた「先進運転支援機能」、車の異常を検知して知らせる「ライブカーセキュリティ」機能などを搭載しており、ドライブ中から駐車中までカーライフ全般をサポート。暗闇でも車室内の状況を撮影ができる赤外線LEDを搭載した小型の新開発「フロアカメラユニット」にも対応する。
運転支援としては次のような機能を持つ。
・前方車両接近警告:前方車両までの到達時間を推定し、危険な時に音と画面表示で警告・誤発進警告:前方車両よりも先に自車が発進した時、追突を防ぐために音と画面表示で警告
・右折時つられ発進検知:ヒヤリハット地点での右折時に、前方車両に続いて発進する時に注意喚起
・レーンキープサポート:高速道路と一般道でレーンに片寄る走行が続いた時に、音と画面表示で注意喚起
・ドライブレコーダー:ドライブシーンを常に高画質な動画で保存
・イベント録画:クルマに衝撃を検知した時に、検知前20秒、検知後10秒の動画を保存
・アクシデントインフォ:イベント録画起動時に、独自のアルゴリズムで危険性を判定して指定された宛先に、静止画や位置情報をスマートフォンのメールで登録先に配信
また駐車中のセキュリティ対応も可能。
・セキュリティ録画・撮影:クルマの異常を検知した際に、自動的に動画と静止画を撮影し保存
・セキュリティインフォ:クルマの異常を検知した際に、指定された宛先に静止画や位置情報をメールで通知
新サイバーナビ・シリーズでは車種専用ユニットは大画面の10V型ユニットを採用。静電センサーキーやキーイルミネーション部のテクスチャグラデーション処理としている。コンソール面は高質感のオリジナルデザインを採用。車内を撮影できる専用フロアカメラユニットのナビ本体への装着にも対応している。
またシステムは使用開始月から最大3年間追加費用が発生することなくバージョンアップができる。バージョンアップは、スマートフォンなどから、専用アプリ「スマートアップデート for カロッツェリア」を使ってバージョンアップする「スマートアップデート(差分更新)」、パソコンからSDメモリーカードを使ってバージョンアップする「全データ更新」に対応している。
新サイバーナビの発売と合わせ、リヤ席用のプライベートモニター2機種も発売される。高精細な9型ワイドVGAモニターだ。スマートフォンの映像を楽しめるミラーリング、前席のディスプレイと独立した映像表示もできるようになっている。
運転支援システム「マルチドライブアシストユニット」(フロントカメラなど)は9月からの発売予定。このユニットにはオプションとして車内撮影用のフロアカメラ、通信モジュール(MAユニット)も設定している。