パイオニア 「3D-LiDARセンサー」量産モデルを開発

パイオニアの子会社であるパイオニアスマートセンシングイノベーションズは2019年12月19日、サイズを大幅に小型化し、計測可能距離を伸長させるなど高性能化した「3D-LiDARセンサー」の量産モデルを発表した。このLiDARは自動運転レベル3以上の車両への搭載を想定しており、2020年度上期より随時販売を開始し、秋より本格的な量産を行なう計画となっている。

パイオニア 「3D-LiDARセンサー」量産モデルを開発

製品概要

3D-LiDARセンサーは、レーザー光を照射することで物体の検知と正確な距離測定を行なうことができ、周辺の状況をリアルタイムに、そして立体的に把握できるため、自動運転レベル3以上の実現に不可欠なキーデバイスとされている。

パイオニアは、2017年、2018年と検証用モデルを各企業向けに提供し、実証実験などを通じて検証を行なってきたが、2020年秋から本格的な量産タイプのモデル「3D-LiDARセンサー」(2020モデル)」を発表した。

この量産向けの最新モデルは、MEMSミラーによるスキャン方式を採用し、高解像度であることに加え、従来品(2018モデル)と比較して5分の1以下の小型化、1.5〜2倍の計測可能距離を実現している。

パイオニア 「3D-LiDARセンサー」量産モデルを開発

画角と計測可能距離の異なる3種類(短距離、中距離、長距離)のセンサーと、短距離/中距離センサーを組み合わせた広角タイプをラインアップし、幅広いニーズに対応可能としている。また、物体の検知や自車位置推定などを高精度に行なうことができるソフトウェアを開発しており、OEMへの提供も可能となっている。

この最新LiDARは、高度自動運転車両やフリート車両向けのほかに、セキュリティや交通監視用途など車載以外での活用も想定しており、2020年1月7日から開催される「CES2020」において、さまざまなソリューション提案を行なう。

【主な仕様】

  • スキャン方式:MEMSミラーによるラスタースキャン方式
  • 送受信方式:シングルLD、シングルAPDによる同軸光学系方式
  • レーザー波長:905nm
  • 画角(H × V):
    Short Range:60°× 30°
    Medium Range:30°× 15°
    Telescopic:15°× 7.5°
    Dual Short Range:110°× 30°
    Dual Medium Range:50°× 15°
  • 解像度(H × V):76 × 76
  • フレームレート:24Hz
  • 点群数:138,624 ポイント(1秒間当たり)
  • 計測可能距離:
    最長距離:約50m 〜 170m
    最短距離:約50cm 〜 5m
    ・晴れ、反射率 50%
    ・“2018 モデル”は最長距離 約25m 〜 120m
  • 容量:800cc以下
    ・Medium / Telescopic はレンズ部除く
    ・“2018モデル”は4,000cc以上

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