パイオニアは同社が持つ車両走行履歴などのプローブ情報を、災害時に情報活用のために提供することを発表した。東日本大震災の時、ホンダのインターナビが情報を公開し、多くの被災者、救援者らに情報提供されたことは記憶に新しいが、パイオニアは独自の情報ネットワークシステムである「スマートループ」を災害時に情報提供することを決定した。
特定非営利活動法人「ITS Japan」(アイティーエス)は、東日本大震災後に民間企業・団体が連携して提供した、通行実績情報が被災地周辺道路の通行実績状況の把握、救援活動、物資輸送における経路検討などで、その有用性が高く評価され府省庁・地方自治体・指定公共機関(通信キャリアなど)からのニーズも非常に高いことが分かった。
そのため、今後も大きな災害時には、民間企業・団体からの情報提供を行なうべきであるという考えから、ITS Japanが社会貢献活動として情報を集約・提供することを企画し、パイオニアはこの企画に呼応する形で参画する。
パイオニアのスマートループは、通信機能を搭載したカーナビゲーション経由で専用サーバーに集積したプローブ情報(クルマの走行履歴や各種のセンサーデータなど)を独自に解析し配信する仕組み。
そして、2006年からそのプローブ情報を活用した独自のネットワークシステム「スマートループ」を立ち上げ、車載ナビゲーションを情報端末として活用したサービスを展開しているが、2014年6月5日、同社は特定非営利活動法人「ITS Japan」が大規模災害時に社会貢献活動として行なう「乗用車・トラック通行実績情報」の集約・配信活動に参画し、同社の持つプローブ情報を災害時の活用のために提供することを決定したわけだ。
これにより、大規模サーバーに蓄積された最新の情報をネットワークを通じてリアルタイムに共有することができることになる。なおこの活動への参画企業・団体は、本田技研工業、パイオニア、トヨタ、日産自動車、富士通、いすゞ自動車、ボルボグループ(UDトラックス))、日野自動車。