【マーレ】EVの効率的な車内暖房を実現する革新的な熱回収システムを開発

グローバル・サプライヤーのマーレは2026年2月9日、EVの効率的な車内暖房を実現する革新的な熱回収システムを開発したと発表した。

室内の暖房は、特に冬場にEVの航続距離に大きな影響を与えるが、マーレが開発した「HeatX Range+」は、従来の加熱システムと比較して空調にかかるエネルギー需要を約20%削減している。これにより、ドライバーは1回の充電での航続距離延長と、効率的なキャビン暖房という恩恵を同時に受けることができる。

マーレのテストでは、外気温マイナス7度C、車内温度20度Cの条件下で行われた一般的な中型EVのテストでは、航続距離を約10km延ばすことに成功し、航続距離を延長できることを確認した。

また、酸素を豊富に含む新鮮な空気を絶えず供給することで、室内は高い空気質を保ち、窓の曇りも最小限に抑えることができる。

そしてこのシステムはモジュール設計を採用しているため、自動車メーカーは既存の車両設計に低コストかつ容易に組み込むことが可能であることも特長だ。

この新しい熱回収システム「HeatX Range+」は、エアコンのエバポレーターを利用して、車内から送られる空気から熱エネルギーを抽出し再利用する。車外部へ排出される空気がエバポレーターを通過する際、車室外へ出る前に冷媒を加熱する。

その後、冷媒は蓄えた熱エネルギーを車内に取り込まれる外気(新鮮な空気)に伝え、車室内へ入る前に外気を予熱する。これにより、新鮮な空気を効率的に暖めることができ、従来の室内空気排出システムと比べて冬季の低温環境での暖房に必要な電力を低減することができるのだ。

この新しい熱回収システムは、車両のエアコン・システムの空気流量性能や音響特性に悪影響を与えることはないという。この革新的なエネルギー回収技術の導入にあたり、マーレは車両用空調システムの開発・製造で培ってきた豊富な経験を活かしている。

マーレのサーマルおよび流体システム部門で研究開発(R&D)を統括する副社長のウリ・クリスチャン・ブレッシング博士は、「マーレは1990年代初頭に、乗用車および商用車向けの初のキャビン熱回収システム概念であるエコノマイザー(Economizer)を導入し、今日の効率的な車室内空調制御への潮流を先駆けて切り開きました。この熱回収レイアウトは冷媒(R1234yf)向けに設計されており、わずかな改良を加えるだけで、他の代替冷媒にも適応可能となっています」と語っている。

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