2016年1月20日、保険会社のアクサ損害保険(アクサ・ダイレクト」)は、スマートドライブ社と共同で、ドライバーの運転をモニターし、安全運転するドライバーの保険料を割引くテレマティクス保険の開発を始めたと発表。コンセプトムービーや特設ホームページも登場している。
このテレマティクス保険を開発するには多くのドライバーの運転データが必要となるため、「安全運転を見える化。未来の安全運転基準をつくる」ことを目的とした、ドライバー参加型プロジェクト「MIRAI DRIVE PROJECT」を発足させた。
テレマティックス保険という名称を使用していることからわかるように、車両側とサーバーが通信接続され、車両を運転するドライバーの運転状態がサーバー側に記録され、それが保険料を決めるデータベースになる。これを可能にするのがスマートフォンのアプリ(アプリ名称は「YouDrive」)だ。
YouDriveアプリはアクサ・グループ本社(フランス)で2014年に開発された安全運転診断機能付きの運転データ収集用スマートフォンアプリだ。スマートドライブの車載デバイスとこのアプリをインストールしたスマートフォンをBluetoothで接続し、運転データを収集。ドライバーの運転を診断し、得意・不得意なシーンやドライバーごとの運転の特性を「見える化」することで、安全運転やエコドライブへとつなげることもできる。
そして当然ながら、安全な運転をするドライバーは保険料も軽減されるというのがテレマティック自動車保険の最大の特徴となる。なおスマートドライブ社の車載デバイスとはクルマに装備されているOBDⅡ(車両診断信号ポート)と接続することで車両運転情報を取得するシステムだ。OBDⅡからは車速や運転操作に関する多くの情報信号を引き出すことができるのだ。
アプリの機能は、安全運転診断機能(アクセル、ブレーキ操作などに基づきスコアを算出)、ドライブ履歴管理機能(ドライブ履歴と危険運転ポイントを地図上に表示)、運転特性データ管理機能(運転特性データの統計データを管理)、ランキング機能(アプリユーザーの総合スコアランキングを表示)などだ。なお、現在はiPhone用のみだが、今後はAndroid用も設定されるはずだ。
テレマティックス保険を開発するためにアクサと共同開発を行なうのは、クルマ社会をビッグデータで変革することを目指し、2013年に設立されたベンチャー企業、「スマートドライブ」社だ。
スマートドライブは、車載デバイスから運転情報をリアルタイムに取得し、テレマティクス保険、車両動態管理、自動車ディーラーのCRMツールなど、様々なサービス展開を可能にする業界・サービス横断的なテレマティクス情報プラットフォームの構築を目指している。
自動車保険は、従来は車種や年齢、車両の安全装備などによって保険料率が決められていたが、今後はドライバーごとの運転スキルや安全運転やエコドライブの度合いによって保険料が決めることができ、より合理的な料金が期待できる。そのシステムを支えるのが、クルマとサーバーを繋ぐ通信、テレマティックス技術なのだ。
AutoProve 有料メルマガ2/5(金)配信開始決定!
MIRAI DRIVE PROJECT 公式サイト
運転診断アプリ公式サイト
スマートドライブ 公式サイト
アクサダイレクト 公式サイト