NTNは2018年8月23日、2018年8月末からドイツの製造会社NTN Kugellagerfabrik(Deutschland) GmbH(NTNドイツ製造)の子会社NTN Mettmann (Deutschland) GmbHで、海外で初めてとなる工作機械向け精密軸受の量産を開始したと発表した。
これまでNTNは、桑名製作所(三重県桑名市)を中心に日本国内で精密軸受を生産していたが、工作機械の最大市場であるヨーロッパ向けには日本からの輸送だけで通常2ヶ月程度を要し、納入に時間がかかりすぎるという課題があった。
NTNドイツ製造は、1971年に日本企業としてヨーロッパで最初に設立された製造会社で、長年にわたり現地で培ってきた軸受生産のノウハウと、既存の建屋の一部を子会社として活用することで、高い技術力が必要とする精密軸受の生産が可能になった。
今回、ドイツで精密軸受の量産を開始することで、欧州市場において受注後3週間で商品の供給を実現。納入リードタイムの短縮により、今後はカスタマーの要望にタイムリーに対応できるようになった。
生産する軸受は、欧州でニーズの多い高精度なアンギュラ玉軸受だ。アンギュラ玉軸受とは、接触角をもつ軸受で、複数個を組み合わせ多列使用することでラジアル荷重に加えてアキシアル荷重を受けることができるため、工作機械の主軸のように高精度で高速回転する部位に使用される。