2017年10月20日、オムロン・オートモーティブエレクトロニクスは、クルマの周囲の状況を高精度に計測できる3D-LIDAR (スリーディー・ライダー)を開発したと発表した。一般道や市街地における自動運転の実現のために3Dライダーは必須のセンサーと位置付けられ、2020年の量産開始を目指す。
現在の運転支援システムで前方検知用センサーとして主流となっているカメラやミリ波レーダーは、天候や検出物体の性質の影響を受けやすく、小さな物体を検知する能力も限定されている。
実際の公道ではポールや縁石などの障害物が多いため、自動運転ではこれらを高精度に検知できるレーザー光によるスキャナーセンサーの併用が不可欠とされている
オムロンは赤外線レーザーを水平方向にスキャンし、縦方向に分割した多分割受光素子で受光することで、広い視野角(水平140度、垂直20度)と高解像度(水平140ピクセル、垂直32ピクセル)を実現した3Dライダーを開発した。
この3Dライダーは、30m先にある縁石や段差など高さ10cm程度の障害物を高精度に計測することができる。この3Dライダーを用いることで、これまで検出が難しかった高さの低いのさまざまな障害物を計測し、安全な走行ルートを決定できるシステムの開発が可能となる。
3Dライダーを車両の周囲4か所に取り付け、計測結果を統合・分析することで、車両の360度の周囲にいる歩行者や、4輪車、2輪車、縁石などの物体を認識することが可能となる。
なお、オムロンは東京モーターショーでは、この3Dライダー以外にレベル3の自動運転で欠かせないドライバーモニタリングカメラ、ドラシバーモニタリングカメラと周囲のカメラ映像、GPSアンテナなどを組み合わせたドライバー安全運転管理システムなども出展している。