2017年9月27日、オムロンは、ドライバーが運行の状態を注視しているか (Eyes ON/OFF)、ドライバーがどれだけ早く運転に復帰できるのか (Readiness High/Mid/Low)、ドライバーが運転席にいるか (Seating ON/OFF) の3つの指標で、「ドライバーが運転に集中できる状態か」を判断する技術を搭載した、世界初の「ドライバー見守り車載センサー」を開発したと発表した。
このシステムに含まれる顔画像センシング技術「OKAO vision」もさらに進化させ、これまではできなかった、マスクやサングラス等を着用しているドライバーの状態もセンシングすることが可能となっている。
現在は自動運転に関する法整備の検討が進んでおり、従来の運転に関する国際基準「UN R79」も改正に向けた活発な議論が行なわれている。
オムロンは、自動運転に関する技術や法整備の動向を見据えて、「ドライバーが運転に集中できている状態か否か」を判断するための、実用性の高い機能が必要と考え、「ドライバー見守り車載センサー」を開発した。このセンサーは、2016年6月に発表した「ドライバー運転集中度センシング技術」を搭載した車載センサーをさらに進化させたものだ。
今回開発した「ドライバー見守り車載センサー」と、心電や脈波を測る生体センサーを一般家庭の自家用車を含む、幅広いクルマに搭載し、運転中のドライバーの多種多様なデータを収集する実証実験を行なっている。
この実証実験は2017年度から名古屋大学・未来社会創造機構、HMHSコンソーシアムと共同で進めており、この取組を通じて、収集した実走行データをさらなる技術開発に活用して行くという。
従来の技術では、「ドライバーが安全運転に適した状態か否か」という1つの判断しかできなかったが、「ドライバー見守り車載センサー」は、時系列ディープラーニング技術を進化させることで、「ドライバーが運転に集中できている状況か否か」を見極めるための3つの指標を同時に判断することが可能になっている。
3つの指標は、ドライバーが運行の状況を注視しているか 、目の開閉状態を2段階で判断(Eyes ON/OFF)、ドライバーがどれだけ早く運転に復帰できるのか、ドライバーが何をしているかなどから、運転の準備ができている/短時間で運転に復帰できる/運転に復帰するまで時間がかかる(High/Mid/Low)の3段階で判断(Readiness High/Mid/Low)。そしてドライバーが運転席に座っている状態かを、運手席に座っている/座っていないか(ON/OFF)の2段階で判断する、というものだ。
レベル3の自動運転では、自動運転システムで対応できない場面ではドライバーが運転を行なう必要があるため、ドライバーは運転可能かどうか、ドライバーを常時モニターするシステムが必須とされているが、オムロンはこの「ドライバー見守り車載センサー」を2020年までに発売される自動車への採用を目指している。