2017年6月26日、日本ミシュランタイヤはスタッドレスタイヤに求められる氷上性能を摩耗時しても性能向上する新スタッドレスタイヤ「X-ICE3+(エックスアイス スリープラス)」を8月1日から発売する。サイズは15インチ〜18インチの計15サイズ、価格はオープンプライス。
新製品のX-ICE3プラスの外見上は従来のX-ICE3と同じで、これまでのトリプルエフェクト・ブロック、バリアブルアングル・サイプ、マックスタッチなどの技術を継承。つまり製造金型は従来と同じだ。
しかし、新品時はもちろん、摩耗した状態でもさらなる氷上ブレーキ性能の向上を図るために、表面再生コンパウンドを新採用している。この表面再生ゴムとは、トレッドゴムの中に微細な「Mチップ」があり、これは充填された空洞に散在させたゴムのことを意味する。
トレッド面が摩耗するに従って、次々にMチップの充填された空洞が現れ、路面と接することでMチップが飛散し、吸水効果を持つ空洞により氷上でのブレーキ性能を確保するのだ。なおMチップは自然界にある無機質の微粒子だという。
スタッドレスタイヤで一般的な技術となっている、発泡ゴムなど空洞を多数持つゴムに比べ、Mチップを内蔵する表面再生ゴムは、ゴム部全体の剛性を高めることができるというメリットがある。そしてゴムの摩耗によりMチップが飛散して空洞部が吸水効果を発揮するという点が大きな特長になっている。
X-ICE3プラスは新品時には、従来のX-ICE3より氷上ブレーキ性能は4.5%向上し、約1万km走行して摩耗した状態での比較では氷上ブレーキ性能は11.5%改善しているという。
なお、今回登場するX-ICE3プラスは15サイズのため、それ以外のサイズは従来からのX-ICE3が併売される。
■商用車用スタッドレスタイヤ「AGILIS X-ICE」
X-ICE3プラスの発表と同時に、日本ミシュランでは初となる商用車用のスタッドレスも発表された。
乗用車用スタッドレスタイヤX-ICEシリーズのアイスグリップ性能とバン・ライトトラックなどに求められるロングライフ性能を高い次元で両立させた商用車用スタッドレスタイヤ「AGILIS X-ICE(アジリス エックスアイス)」で、8月1日に発売される。サイズはハイエース、NV350キャラバン用の195/80R15LT 107/105Rで、価格はオープンプライス。
アジリスX-ICEはドライ路面はもちろん、凍結路面や降雪時などさまざまな路面状況に対応できる性能を持つ。凍結路での性能は乗用車用のX-ICE3の技術を採用。さらにMax170km/hの「R」速度記号を備えているのも特長だ。
なお、今回登場したX-ICE3プラス、アジリスX-ICEは群馬県・太田市にあるR&Dセンターで開発され、中国工場で生産し、日本と中国で販売される。