ミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート」の2タイプが2025年10月に発売され、舗装路やウエット性能などのテストはすでにお伝えしている。今回は雪の環境でのテストをすることができたのでお伝えしよう。

クロスクライメートのCC3とクロスクライメートスポーツのCCS3の2タイプがある。スポーツは名前のとおりスポーツモデルを対象としたタイヤだ。その違いなどの詳細はこちらを参照して欲しい。
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さて、このミシュランのオールシーズンタイヤの特徴として、他社とは違う表現をしており、それは「スタッドレスの代替品ではない」ことを強調している。雪道も走行できるがスタッドレスレベルの性能ではなく、あくまでも冬タイヤの性能というわけだ。
国内では冬タイヤイコールスタッドレスと思われがちだが、欧州ではスタッドレスとは異なり、冬タイヤが一般的。これは気温が7度以下になると装着を義務付けている国が多い。舗装路しか走らないという人も冬タイヤを履かせる必要があるのだ。つまり、路面温度が低いとグリップ力が下がりブレーキ性能やコーナリング性能に影響があるため、路面温度に適したタイヤを装着するというわけだ。



その冬タイヤの性能において、CC3は雪にもある程度対応でき、かつ夏も問題なく性能を発揮できるタイヤに位置付けているわけだ。
そのため、国内ではこのCC3、CCS3のターゲットユーザーを関東より以南の太平洋地域としており、雪は降らない、降っても年に数回といった地域としている。そして高速道路の冬用タイヤ規制はクリアするスノーフレークマークを取得しているのも特徴のひとつだ。
ちなみに、このクロスクライメートは2015年に欧州で発売され、国内には2019年から導入されている。そして2025年、第3世代となって、CC3とCCS3の2タイプを投入したのだ。
というわけで、では雪はどの程度の実力なのか? ミシュランのスタッドレスX-ICEとの比較テストもできたので、お伝えしていこう。

まずはテストコースのレイアウトとして氷盤路での制動テストを行ない、そのまま40km/hでスラローム。ここから先は全て圧雪路の状態で、完全な雪道をイメージしてもらえば良い。スラロームを終えて下り坂を50km/hに速度を上げてレーンチェンジを行なう。最後は50km/hでの急ブレーキテストというコースだ。その後、コースを変更し、定常円旋回、ワインディング路の走行を行ない終了というメニューだった。

まずは30km/hからの氷盤路制動テスト。車両はフォクルクワーゲンゴルフとカローラツーリングで行ない、CC3とCCS3の違いをテストしたが、氷の路面は正直なところ「止まる気配がない」。どちらのタイヤもABS頼みでグリップ力は失われたままだ。もしABSが働かなければ直進状態は保てず、最も簡単にスピンをするだろう。これが30km/hの速度なので、路面凍結した場所は回避すべきだ。
氷盤路を抜け40km/hでのスラロームテスト。CC3は操舵初期から手応えがしっかりと伝わってくるので、旋回できる感触がある。左右の旋回を繰り返すため旋回モーメントが大きくなり、次第に滑り出すがアクセルを緩めるとすぐにグリップが復帰した。

同じ箇所をCCS3で走行すると、操舵初期は同様にしっかりした手応えがあり、安心感がある。そして滑り出したあとのグリップ力の回復がCC3より速く感じる。これはタイヤの剛性が異なるためで、実際の回復時間に違いがあるかは微妙なところ。スポーツはパイロットスポーツのキャップ構造になっているため、そうした違いによるものと想像できる。

上り坂はどちらのタイヤも滑ることなく登り、Uターンして下り坂を50km/hで走行し、レーンチェンジをする。これも同様に操舵初期からグリップ感が伝わってくるので、安心してレーンチェンジが行える。そして急ブレーキではノーズダイブするほどのグリップ力を見せ、またシートベルト巻上げが瞬間的に作動するほどの減速Gを出していた。
次に定常円旋回ではアウディA3スポーツバックに装着したテスト車両で、先代モデルのCC2もテストに加え、CC3、そしてスタッドレスの3タイプの違いをテストした。

内容は定常円旋回中にグリップが失われていくタイミング、速度の違いがあるか?を確認した。結果としてはグリップが失われ、流れ出すタイミングが2〜3km/hずつ向上することがわかった。CC2よりCC3のほうが流れ出しは遅く、つまりより高い速度であり、スタッドレスはさらに高グリップを維持する速度が高いという違いがわかった。

そして最後がワインディングでの走行。ここはCC3とスタッドレスとの違いを体験した。テスト車両はトヨタRAV4。この環境はテストではあるが、テストコースへの取り付け道路であり、実際の使用環境と同じだ。40km/h、50km/hでの走行で、カーブでの安心感やコーナー手前での制動、そして登り坂の途中で一旦停止からの再スタートというテストを行なった。

気になる登り坂からの再スタートはどちらも滑ることなく、再スタートできるので、CC3が雪上でもかなりのグリップ力を持っていることがわかり、実用性の高さを感じた。コーナーや制動ではスタッドレスとの違いは感じられ、やはりスタッドレスの高いグリップ力による安心感は大きかった。
CC3もグリップするし、ブレーキも効くのだが雪や氷が専門のスタッドレスには敵わないといった印象だった。
したがって冒頭説明したようにスタッドレスの代替品ではなく、雪はエマージェンシー的対応は可能という認識がいいだろう。滅多に雪のない地域に住む人には最適な選択とも言えそうだ。














