ミシュラン 本社移転に伴い産官学連携のさまざまなイノベーションに挑戦

日本ミシュランは2023年8月3日、2022年12月に発表したとおり群馬県・太田市に本社を移転した。旧本社である東京都新宿区のオフィスは縮小し、群馬県太田市に機能を統合。今後は産官学連携を図りながら新たなビジネスを展開することになる。

日本ミシュランは、新本社で100%持続可能なタイヤの実現のための先行開発や、環境負荷の少ない持続可能な物流など、グループの取り組みを推進する。

群馬県太田市の本社は、環境の観点から既存建物をそのまま活かし、社員の創造と革新の場となるコラボレーションスペースを創設。このスペースのデザイン・設計・建設は、群馬県太田市の石川建設が率いるオール群馬企業から成る「群馬WOOW」プロジェクトチームが手掛けている。

そして新たにコラボレーションスペースを新設し「集う・アイディアが生まれる」をテーマに、異なる知見を持つ社員が自由闊達に知識を増幅し、社会に貢献するコミュニティベースで、この11月に建設着工し、2024年4月に竣工予定となっている。

新本社では、社員の自主性と生産性向上のため、オフィスへの出社日数は、本人とマネージャーによる協議で決定。これは「ライフ」を楽しみながら「ワーク」を最大化するミシュランの革新的な試みとなる。

出社日数の指示を会社から社員におろす「ルール化」ではなく、社員自らが考え、マネージャーと自律的で自由な働き方を決める責任感を伴うプロセスとなり、この実現のため、東京からのシャトルバス運行や就業時間特例など、さまざまな福利厚生が適用される。

この他に、ミシュラン本社フランスの高等教育機関や、群馬県内をはじめとする国内の大学からインターンとして学生の受入れも行なう。同時に、地域貢献や次世代育成の一助として、地域の子供たちの学習支援や学校への講師派遣など、ボランティア活動を積極的に進めることになる。

■ 地域との連携
従来のタイヤビジネス以外に、群馬県下の物流企業である美松運送、車両動態運行管理のトップランナーであるドコマップジャパン、群馬大学とコンソーシアムを組み、群馬の運輸デジタルイノベーションの取り組みを開始する。

この取り組みはデジタル技術導入で物流業界の2024年問題(ドライバーと輸送力の不足)の解決と、環境にやさしく、荷主に選ばれる運送事業を目指すもので、産官学連携事業として2023年度の県のデジタルイノベーション加速化補助金を活用する。

世界最先端のミシュランの金属積層造形技術も群馬発で展開される

また、本社内に積層造形技術の普及と発展を目的とした、金属積層造形技術「ミシュラン AMアトリエ」を開設している。技術推進を図るGAM(一般社団法人 群馬積層造形プラットフォーム)は着実にメンバーを増やし、「群馬から世界に」発信する革新的技術の検討を進める。

また、2023年4月にはドライビングシミュレータをコアにした、エンジニアリングサービスを提供する「S&VL」との協業も発表し、今後さらにオープンイノベーションの拠点として活用されることになる。

群馬県の山本一太知事
「この度、日本ミシュランタイヤが群馬県に本社を移転されたことを、心より歓迎いたします。ミシュラン・グループは、中核事業であるタイヤ製品事業のみならず、金属積層造形や水素燃料電池など、先端的な技術を生み出し続けています。群馬県といたしましても、今般の移転を契機として、産学官が力を合わせ、革新的なビジネス創出に取り組むことで、群馬県の更なる発展に努めてまいります」とスピーチしている。

日本ミシュラン新本社:群馬県太田市植木野町880

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COTY
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