2019年6月にBMW320dツーリング(F30型系)に標準装着していたブリヂストンのランフラットタイヤからノーマルエアタイヤのミシュラン パイロットスポーツ4に履き替えた。それから約1年が経ち、走行距離は1万7000kmほど走行。新品の時から少し性格が変わったので、それをお伝えしようと思う。
すり減った標準装着のランフラットから新品のノーマルタイヤへ交換した時の感動は、忘れられない。非常に滑らかにタイヤが転がり、静粛性があがり、そしてマイルドな乗り心地へと変化しながら、ステア応答性のしっかり感や直進安定性の高さ、ウェットでの安心感など、どれをとっても満足度が高いということをお伝えした。
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試乗インプレッションもワインディングから高速走行も行ない、ランフラットとの違いが明確にあるもののネガとなる部分は見当たらなかった。
そして2万km近く走行してくると、ランフラットの違いというより新品時との違いが顔を出してきたのだ。
捉え方の違い
何が変わったか?というと、一般道でも高速でも同様にその違いを感じるようになった。それは、路面からのインフォメーションがより多く伝わってくるようになったのだ。路面のアンジュレーションやワダチなど、路面状況の変化をかなり伝達してくる。
それをどう捉えるかだが、いい捉え方をするとより正確に多くの情報をステアリングを通じてドライバーへ伝えてくるようになったということ。反対にネガな言い方をすれば、敏感になって情報過多となった。という言い方だ。
とはいえ、直進安定性が悪くなったとか、ハンドルを取られるようになったという意味ではない。もしかすると、この新品時との違いは、一般的には気づかれない部分かもしれないのだ。自分が敏感なセンサーを持っているという自慢ではなく、乗り味の変化を意識し、気をつけて試乗したためと理解してほしい。
だから、わずかな違い、といえばそれまでだ。気にするまでもない違いかもしれない。だが、分かる人にはその違いは感じ取れる。また、前後のタイヤサイズが違うこともあり、ローテーションは行なっていないため、均一に摩耗していないことも影響していたとも考えられる。
もっと例えるなら、同じタイヤで空気圧を0.1〜0.2kgf/cm2程度変えた時の違いという感じだ。これが磨耗した標準のランフラットタイヤでは現れなかった違いでもある。欧州車によくある専用タイヤの意味が感じられる部分だ。
そうしたフィーリングの違いを日本ミシュランに確認すると、「タイヤが馴染むということがあり、新品時とのフィーリングの違いを感じるかもしれません」という回答。ただ、構造やコンパウンドなどタイヤの構成材料に何か変化が起きているのか?といえば、そうではない。
そして、新品時から変わらない性能として乗り心地の良さと静粛性がある。パイロットスポーツ4というタイヤはスポーツタイヤに分類され、ハードな走行もできるスポーツ系でありながら、意外とコンフォート性も高いという特徴がある。スポーツ系でも乗り心地がいい、というのはアドバンテージになる性能だ。
そしてウェット性能においても優れた直進性、制動力を発揮してくれるので、雨の高速道路も安心して走行できることに変わりはない。
こうしたわずかな違いが生じることを考えると、タイヤの空気圧チェックを正確にマメに行なう重要性を改めて感じている。さらに欧州車の場合、乗車人数によってエアを変更する指示があるから、なおさら神経を使うべきだと思う。
個人的な経験だが、ドイツ人の知り合いでCクラスのメルセデス ベンツAMGに乗せてもらった時、こちらが3人だったので、合計4名乗車。そのときアウトバーンに入る前に、普通にガソリンスタンドへ寄り、空気圧を調整していたことを思い出したのだ。
制限速度がもっとも高い場所でも120km/hの日本ではあるが、タイヤへの気配りは重要なポイントになることを常に意識しておきたい。<レポート:高橋明/Akira Ttakahashi>
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