ジャトコ 中・大型FF車用CVTなどを初展示

JATCOは2022年5月25日から開催された「人とくるまのテクノロジー展2022 横浜」に、世界初展示となる中・大型FF車用CVT 「Jatco CVT-X」、FR車用9速オートマチックトランスミッション 「JR913E」、日本初公開となる電動車両用「e-Axle」(同軸式:コンセプトモデル)、電動車両をターゲットにしたe−アクスルなどを出展した。

FR車用9速オートマチックトランスミッション 「JR913E」は、日産の新型フェアレディZ用で、軽量化のためにマグネシウム製ハウジングを採用し、コンパクトにまとめられているているのが注目ポイントだ。

ターボ・エンジンにも適合する「CVT-X」

また中・大型FF車用CVT 「Jatco CVT-X」は、CVTとしては難しいとされていた伝達効率90%の壁を越え、これまでにないレベルの完成度を実現している。中・大型FF車用とさえているだけに、ターボエンジンにも適合できるCVTとなっており、ダウンサイジング・ターボエンジンとの組み合わせに最適だ。この「Jatco CVT-X」を初採用したのが日産キャッシュカイ(2021年6月にヨーロッパで発売)で、国内モデルでの採用はまだこれからだ。

ターボ・エンジンに適合できるCVTのためエンジンの効率の良い領域を積極的に使いながら、ターボ過給時のトルクに瞬時に追従する油圧応答性やトルクコンバーターのロックアップ応答性など、ターボエンジンにより適したCVTだ。

このCVTは従来の金属ベルトではなくショートピッチのチェーンを採用し、変速比幅8.2を実現。トルクコンバーターに多板ロックアップ機構を採用し、瞬時にロックアップできるため、発進からの優れた加速性能を実現。また、変速ではフィードフォワード制御とフィードバック制御の両方を組み合わせ、変速時間の短縮と変速ショックを高次元で両立させている。

きわめてコンパクトな同軸式e-アクスル

また、CVTの伝達効率を高めるために、機械式油圧ポンプと電動油圧ポンプの両方を装備し、高負荷域では電動油圧ポンプを使用することで効率を高めている。

3軸式e-アクスル

2020年代半ばをめどに市販化を進めているe-アクスルも初公開されている。小型軽量化・高効率なコンパクトカー用の同軸タイプと、より高出力な3軸タイプの2種類が展示された。

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