HERE スピードアシスタンス技術で商用車メーカーと提携へ

世界屈指の高精度地図データ、道路情報のトップ企業のHEREテクノロジーズ社は2022年9月、ドイツ・ハノーバーで行なわれた「IAAトランスポーテ—ションカンファレンス」で、欧州連合(EU)の新しい規制を受け、交通安全の向上と速度超過の削減を目的とした自動速度制御装置(インテリジェント・スピード・アシスタンス:ISA)の実装で商用車メーカーと提携することを発表した。

2022年7月から、EU市場で販売されるすべての新型車、バン、トラック、バスにISA機能の搭載が義務化されており、2024年7月以降、EUで新しく登録されるすべての車両は、ISA機能を装備する必要があるのだ。

車両に装備されるISAの機能により、走行中の道路の法定速度制限はドライバーの目の前、車両のダッシュボード、カーナビ、後付け表示装置などに表示されるようになっている。

HEREは、ソリューションパートナーと協力し、EU域内のすべての道路に対応する高品質の速度制限情報を提供し、商用車、乗用車メーカーのISAのシステムをサポートすることになっている。

HERE ISA地図は、ヨーロッパおよび世界のトラック業界大手を含め、15の国際的な自動車メーカー(30以上のブランド)に採用されている。

HEREのジョバンニ・ランフランキ最高製品責任者(CPO)兼・最高技術責任者(CTO)は、「ISA機能は、従来、高級乗用車に搭載され、商用にはほとんど使われていませんでした。欧州諸国が交通安全を改善する緊急の手段を講じるにあたり、当社がこの重要なデータセットを提供かつ実証するとともに、ADASや自動運転技術の将来的な普及に向けた土台を作ることをうれしく思います」と語っている。

トラックや乗用車のメーカーは、販売前にISA車両試験を受け、400km以上を走る間に90%の精度で速度制限データを取得する必要がある。合格基準は、3つ以上の明確な速度標識と3つ以上の暗示的な(数字を表示していない)標識を検知することだ。

ヨーロッパの道路には明確ではない速度制限があり、局所的な速度制限、規則、規制が数多くあるのが難点となっている。ヨーロッパでは速度制限の60%以上が明示されておらず、地域的な交通規則に基づいて制限が決まってはいるものの、道路標識には記載されていないのだ。

HEREが提供するISAデータは、データソースを組み合わせて速度制限情報を取得し、道路標識に記載されていない速度制限の問題に対応。基本的な地図や実証済みの地図システムなしに車両カメラのデータだけに頼っていては、データの質に問題が生じやすくなるため、こうした地図によるデータが重要なのだ。

HERE ISA地図には、道路標識に記載されている明確な速度制限、数字の記載がない道路標識から得られる速度制限、道路規則や規制によって定義される速度制限、標識に書かれておらず、車載カメラでは検出されない、国や地域の速度制限や条件付きの規則なども含まれている。

小型車両の場合にはデータ量を縮小しつつも、交通情報クラウドのプロバイダーによるISA機能のサポートを可能にする地図データ・プラットフォームを採用している。

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COTY
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