HERE 5G無線で展開を加速させる「ジオデータ・モデル」を発表

位置情報データ、位置情報技術のプラットフォームを提供するHEREテクノロジー(以下、HERE)が2020年3月3日、通信業界における5G無線ネットワークの展開を加速しつつ、ネットワーク計画運営コストの低減をサポートする「HEREジオデータ・モデル」を発表した。

概要

ミリ波を使用する5Gネットワークは、その物理特性により、場合によっては4Gネットワークと比べて平方kmあたり10倍の数の基地局を設置する必要があるといわれている。ミッドバンド周波数の4Gネットワークと異なり、ミリ波周波数帯の5G信号パスは、建物、樹木、看板など地上の障害物からの影響を受けやすく、通信事業者はミリ波周波数帯のこの特性に対応するため、従来の3Gや4Gのネットワーク/設計ソリューションをはるかに上回る位置精度を必要とする。

「HEREジオデータ・モデル」は、5Gアンテナ周囲の物理的環境を構成する建物、樹木、道路脇の地物(街灯、電柱、歩道橋、看板など)を表現する高精度で拡張可能な3Dデジタルマップ・モデルだ。この3Dモデルにより、5Gネットワークの計画者や無線周波数(RF)エンジニアは、リモートで現場の調査を行ない5Gアンテナの配置を正確に計画することができるようになり、容易に通信エリアを構築できる。

「HEREジオデータ・モデル」はHEREの企業向け高精度3D地図ソリューション群のひとつ。自動運転車両システム(SAE L1-5)では、HEREレーンとHERE HDライブマップを活用することで安全性を向上させ。また5Gネットワーク、エッジ・コンピューティング、HERE HDライブマップを統合することで、車両と歩行者の衝突防止技術の開発を目指すなど、高精度リアルタイム・マップはますます重要性を高めている。

さらに現在、大規模な交通シミュレーション、ラスト・ワンマイル配送やカーシェアのピックアップ/ドロップオフのためのより詳細な位置特定とナビゲーション、リアルワールドゲームの開発などのテストも行なっている。

今回の5G通信業者向けの「HEREジオデータ・モデル」は、ノキアやキネティカを含む複数の業界大手と提携し、ネットワーク計画/設計ソリューションへこの3Dデータを統合している。これにより通信事業者は、コンピュータ上で現地調査を一括実施してネットワークの展開を加速できると同時に、全体の設計とネットワークの計画にかかる事業費を削減できる。

5Gネットワーク計画向けの「HEREジオデータ・モデル」には、以下の機能が含まれている。
・建物の高さ、重心位置及び建物の形状について、誤差±1m以内の精度で3D化。
・個別の樹木の幹を地理空間的、幾何学的精度の誤差±1m以内で3D円柱化。
・樹木の葉や植物のボリュームを地理空間的、幾何学的精度の誤差±1m以内で3D化。
・個別の電柱の垂直部を地理空間的、幾何学的精度の誤差±1m以内で3D円柱化。
・個別の街灯の垂直部を地理空間的、幾何学的精度の誤差±1m以内で3D円柱化。
・解像度レベル1m以内のデジタル地形地図(地表からの高さを表現)。

通信事業者は「HEREジオデータ・モデル」を使用することで、自社および競合他社のモバイル通信エリアを詳細に把握できる。信号の強度は基地局ごとに多角形で表示され、Excellent(非常に良い)/Good(良い)/Fair(普通)/Poor(悪い)の4カテゴリーで評価される。

携帯電話会社は、HEREセルラー・シグナルスによって自社ネットワークの性能を把握し、競合分析によって自社が強いエリアと弱いエリアを明確にするとともに、より多くの情報に基づいたネットワーク計画を決定することができるのだ。

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