グッドイヤー 「アイス・ナビ7」は4年振りにモデルチェンジした新世代スタッドレスタイヤ

マニアック評価vol539
日本グッドイヤーは、1997年に初のスタッドレスタイヤ、「アイス・ナビ」を発売してから20年が経ち、2017年8月1日に最新世代のスタッドレスタイヤ「ICE NAVI(アイス・ナビ)7」を発売した。これまでのアイス・ナビ6は2013年の発売で、4年振りのモデルチェンジとなる。

グッドイヤー アイスナビ7 スタッドレスタイヤ

発売されたアイス・ナビ7のサイズは全67サイズで、主要な車種を幅広くカバーする。価格はオープン価格。なおこのアイス・ナビ7は住友ゴムと共同開発し、生産も住友ゴムの工場で行なわれ、日本市場での専売タイヤとなっている。

グッドイヤー アイスナビ7 トレッド面

■開発コンセプトと採用技術

アイス・ナビ7は、氷上でのグリップ力、特にブレーキ性能の向上、雪上でのグリップ力の向上、偏摩耗の抑制、雨天時のグリップ力の向上、そして転がり抵抗を低減し低燃費を追求するという、いわばスタッドレスタイヤに求められる全性能を向上させるために開発され、グッドイヤーはプレミアム・スタッドレスタイヤと位置付けている。

グッドイヤー アイスナビ7 トレッドデザインの特徴

そのため、新パターンデザインの「セブン・エフェクティブ・デザイン」を採用。大型のセンターブロックの5リブ構造と4本の太い縦溝、そしてブロック内のヨコ溝(サイプ)をより細分化することで、氷上ブレーキ&コーナリングを向上。さらに雪上、ドライ、ウエット性能との高いバランスを実現している。

グッドイヤー アイスナビ7 氷上ブレーキ性能概念イラスト

グッドイヤー アイスナビ7 雪柱せん断力分布シミュレーションイラスト 

雪上での性能は、雪上せん断力を向上させるバイティング・スノー・デザインとし、ウエット路では4本の縦溝によりハイドロプレーニングを抑制するアクア・スプラッシュ・グルーブや、氷上、雪上での駆動、制動でエッジ効果を発揮するイニシャル・エッジ・デザインをパターンデザインに盛り込んでいる。

ブロック部に刻まれた細溝(サイプ)はエキストラ・マルチプル・サイプへと進化し、従来よりエッジ数が13%増大したことで特に氷上での引っ掻き(エッジ)効果が高められている。

グッドイヤー アイスナビ7 エキストラ・マルチプル・サイプ ウルトラNAVIブレード

同時にサイプによるブロック部の剛性低下を防ぐために、サイプの切れ込みは3次元形状にし、ブロックの倒れ込みを抑えている。

グッドイヤー アイスナビ7 接地面積比較図

またパターンとタイヤの構造により、コーナリング時の接地面形状と、接地圧分布を最適化し、特に氷上でのコーナリングの安定性を向上。直進時には接地面をより均一にし、偏摩耗の発生を抑えている。

グッドイヤー アイスナビ7 接地圧分布図

コンパウンドは、従来のコンパウンドを改良した「エキストラ・コンタクト・コンパウンド」を採用し、ゴムに含まれるシリカを微粒子化すると同時により均一に分散化している。

グッドイヤー アイスナビ7 コンパウンド概念イラスト

さらに、ポリマーとの結合を高めることで、路面との密着性を向上させ、氷上でのグリップ力を高める。同時に内部分子の動きを抑えることで転がり抵抗が減少し、低燃費性能も4%向上している。他社のスタッドレスタイヤは空洞を持つゴムを採用しているが、アイス・ナビ7は、ゴムの柔軟性で氷上のグリップ力を引き出しているのが特長だ。

グッドイヤー アイスナビ7 低温化での柔軟性比較

■試乗インプレッション

アイス・ナビ7の試乗は、アイススケートリンクで行なわれた。この試乗は、従来品のアイス・ナビ6と比較する形で行なわれ、供試車はプリウス(195/65R15 91Q)とC-HR(215/60R17 96Q)の2車種だ。

グッドイヤー アイスナビ7 試乗 スケートリンク走行

アイススケートリンクというと意外に聞こえるかもしれないが、スタッドレスタイヤの開発、特に氷上でのデータを収集するためには、じつはよく使用されているのだ。氷温が一定で、氷面も滑らかに保たれているので、コンディションが刻々と変化する実路面より安定したデータを採ることができるためだ。

グッドイヤー アイスナビ7 スケートリンク走行 C-HR

試乗した日は、室温12度、氷温はマイナス4度程度で、当然ながら氷上は溶けていないので、水膜は発生していない状態だった。

グッドイヤー アイスナビ7 試乗 氷上

試乗のコースは、発進、大舵角でのコーナリング、スラローム、フルブレーキングといった氷上での基本性能をチェックできるような設定となっていた。車速は8km/h以下で、ブレーキ時だけは15km/hから、という条件だ。

発進加速は、ちょっとアクセルを踏み込むと新旧タイヤともスリップが発生するが、スリップを抑え、緩やかにアクセルを踏んだ時の加速力は当然、新開発のアイス・ナビ7の方がグリップ力がしっかりある。

グッドイヤー アイスナビ7 試乗 氷上 コーナリング

大舵角でのコーナリングでは、ステアリングに伝わるしっかり感が、旧モデルより明確で、操舵した時の応答性もやはり上だ。同じコーナーを曲がる時の舵角もアイス・ナビ7の方が少し少なかった。それだけスライドしていない証拠でもある。

グッドイヤー アイスナビ7 試乗 氷上 ブレーキング

15km/hからのフルブレーキングでは、新旧タイヤ比較でパイロン1個分、約1mほど停止距離は短かいという結果で、氷上ブレーキ性能が高められていることが確認できた。毎回同じ場所でブレーキを掛けるのは、なかなかテクニックが必要だが、全体的に停止距離は短かった。

グッドイヤー アイスナビ7 旧モデルとの性能比較チャート

グッドイヤー アイスナビ7 サイズラインアップ

■アイス・ナビ7のテレビCM

日本グッドイヤーは8月1日から販売開始したスタッドレスタイヤ「アイス・ナビ7」の新TVCMを8月21日から放映を開始している。

新TVCMは、より向上したアイス・ナビ7のウインター性能を訴求しながら、ドライバーに、グッドイヤータイヤでより安全に冬を楽しんでもらうことをアピールし、「お使いに行こう」篇と名づけたコミカルなストーリーとなっている。

グッドイヤー アイスナビ7 テレビCMキャプチャー画面

なお新TVCMは、地域別のスタッドレスタイヤへの履き替えシーズンに合わせて放映を開始し、北海道・青森・岩手・秋田の各県から順次展開して行く。

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