2015年1月13日、富士通テンは、音質を維持しながら質量を従来比約30%削減した、業界トップクラスの車載用軽量スピーカーを開発したと発表した。
今回開発したスピーカーは、車両の多くに標準的に装着される口径16cmサイズのもので、ネオジム磁石を使用したタイプ(135g:当社従来品比約30%軽量化)と、フェライト磁石を使用したタイプ(190g:当社従来品比約35%軽量化)の2種類を開発した。これらの製品は既に国内の自動車メーカーに順次納入を開始しているという。
今回開発された軽量スピーカーは、スピーカーの質量のうち、約80%を占めるフレームと磁気回路を見直した。 強度解析シミュレーション技術を用いたフレーム形状の最適化により、薄肉化を図りながら振動を分散させる「振動分散型フレーム」を開発。その結果、フレーム脚部を2本上下に配置するとともに、断面形状を変更して強度を確保しつつ音質を向上。フレームの平均肉厚を極限(1.0mm)まで薄肉化して軽量化している。
また磁気回路シミュレーション技術を用いて磁気回路形状の最適化を図り、磁束密度を確保しながら体積を最小化できる形状を見出し、ヨークの薄肉化を実現。これにより貫通穴を大型化することで、空気の流れを動きやすくして振動系の動きを良くする改善を図り、低音域のレスポンスを向上させている。