デンソーテン、および奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)、気象データ会社のYuMakeは2019年9月26日、観光型MaaS(サービスとしての移動)」に関する共同研究契約を締結したと発表した。
ドライブレコーダー利用した都市状況のリアルタイム分析
同大学の先端科学技術研究科ユビキタスコンピューティングシステム研究室の安本慶一教授と、諏訪博彦特任准教授を中心に、デンソーテンが提供する通信型ドライブレコーダーの映像データを活用した都市状況のリアルタイム分析(観光ルート動画生成システムの構築)に関する共同研究を行なう。
近年はSNSなどの浸透に伴い、動画を参考にして観光ルートを計画する旅行者が増加している。都市状況のリアルタイム分析により、おすすめ観光ルートを動画で視聴できるシステムが実現すれば、訪日外国人客の利便性向上にもつながると考えれる。
また、「観光型MaaS」に向けた取り組みとして、定点の防犯カメラなどと違い、街の隅々までをセンシングできるドライブレコーダーを活用することで、モビリティを安全にシームレスに誘導するための補完情報、例とえば、子どもや高齢者などの交通弱者が多い場所、時間帯の把握など、そして観光誘致のマーケティング情報が得られると期待される。安全運転の支援や事故の記録が主目的のドライブレコーダーを利用し、車載カメラを通じて幅広く街データを取得できる強みを生かした新たな取り組みとなる。
観光ルート動画生成システム
デンソーテンの通信型ドライブレコーダー「G500」を、京都市内の観光タクシーのヤサカ自動車に設置し、収集した映像データを大学にに提供。NAISTでデータを解析/分析した後、そこから有用な情報を抽出し、利用者の嗜好や検索条件に応じたおすすめルートの動画を自動生成するシステムとしている。
画像認識技術によって、桜や紅葉が見られるルートの選択も可能。今後はさらに、映像データから路上イベントを把握したり、YuMakeの気象データ解析技術によって、天候の変化による各スポットの混雑度などを自動解析しルートへ反映するなど、リアルタイムな観光情報の充実を推進していく。
各社の役割では、デンソーテンは通信型ドライブレコーダーを活用し、観光地を中心とした街の映像・画像データの収集・提供を行なう。奈良先端科学技術大学院大学は映像・画像データを解析・分析し、有用な情報を抽出。YuMakeは気象データ、気象データ解析技術を提供することになっている。