2014年10月15日、富士通テンは常時接続の通信でつながるカーナビゲーションなど「イクリプス AVN」9機種を2014年秋モデルとして新発売した。
新機種発表会に出席した富士通テンの山中明社長は、同社が2012年に策定した「ビジョン2020」を改めて強調し、人とクルマ、社会とクルマをつなぐことで未来のモビリティを目指すという戦略を語った。富士通テンの事業としては、快適、便利なカーナビ、ミリ波レーダーなど運転支援安全システムとITS、環境適合性に優れたパワートレーン制御(ECU)という3本柱の事業を「つながる」というキーワードに推進するという。
この戦略を象徴するフレーズは「Future Link」、つまり、人、クルマ、社会のデータをつなぐことで新しいモビリティライフを提供するということだ。カーナビゲーションの分野では、スマートフォンとの連携からデータセンターとの連携・音声認識、そして今回登場した通信モジュール搭載の次世代「つながるナビ」(ハイブリッド・ナビ)が展開される。
つながるナビの今後の構想は、交通インフラ(ITS)連携、SNS、スマホ・アプリ、観光ガイドやレストランガイド、車両情報、ドライバーの疲労検出など運転支援などのそれぞれの分野を進化させていくという。
今回発表された新型イクリプス・シリーズについて、製品企画CI/SSビジネスグループの山根亨氏は、ナビに求められる重要な要素を市場調査した結果、地図の見易さ、操作が簡単、地図の新しさが優先順位の上位にくることが判明した述べる。このため通信機能搭載の新型イクリプスSZシリーズは、地図の鮮度、操作性を重視して開発したという。
Docomo 3G回線SIMユニットを備えるSZシリーズは、富士通テン・クラウドデータセンターと常時接続することで、初の自動地図更新(1ヶ月に1回・3年間)、センターが持つ最新データベースを元にした情報検索、目的地周辺の駐車場検索(目的地周辺2km範囲の満空情報、料金、駐車可能台数を含む)が実現している。またデータセンターと常時接続しているため、情報データベースを利用し、フリーワード検索、予測検索、AND・キーワード検索ができ、最新情報による目的地設定が迅速にできることも特徴だ。
なお常時接続の通信使用量は3年間分は本体価格に含まれており、4年目以降は追加料金(2年間分・3万円)を支払うというシステムになっている。
また、Zシリーズで採用しているスマホ・アプリの音声対話型エージェント「CaraFul」(データセンターとの通信で音声による検索)の機能では、これまでの目的地検索以外に、スマホでナビの目的地予約、AVメニューの切り替えの操作、よく使う施設の優先案内など機能が進化している。