2012年4月19日、自動車用インテリア・システムで世界第1位の規模を誇るフォルシアは、豊和繊維工業株式会社と折半出資で合弁会社を設立したことを発表した。新たに設立された合弁会社、「フォルシア豊和インテリア株式会社(FHI)」は神奈川県厚木市に本拠を置き、ドアパネル、インシュレーション、ソフト・トリム、ルーフ・トリムをはじめとするインテリア・システムの開発を行う。この提携は、フォルシアが日産自動車をはじめとする日本の自動車メーカーと展開するグローバルなビジネスを拡大するためだ。
今回の提携の主な目的は、フォルシアが日本において、日産車向けのドアパネル、ソフト・トリムの主要サプライヤーとなり、フォルシアと豊和がグローバルで日産自動車向けサポートを強化することにある。フォルシアと豊和は、各国のそれぞれの拠点で部品の製造を分担して行い、さらにメキシコと中国に関しては、新合弁会社のFHIが共同製造拠点を設立する予定としている。
FHIは北米(メキシコ、米国)、南米(アルゼンチン、ブラジル)、ヨーロッパ(英国、ロシア、スペイン)、アジア(日本、中国、インド、インドネシア、マレーシア、台湾、タイ)および南アフリカの部品製造をサポートし、2016年までにフォルシア、豊和の日産向け営業実績は1億ユーロを目指す計画だ。
提携後初の業務として、メキシコ、タイ、南アフリカ、スペイン、南米の5拠点で生産されるグローバルな新型車両に関する受注が決定。この新型車両は年間40万車両超の生産を目標としてる。
フォルシアの会長・CEOのヤン・デラブリエールは次のように語る。「豊和という日本の実績ある部品サプライヤーとパートナーシップを締結したことにより、フォルシアのインテリア・システム部門は日産とともにこれからも大幅に成長していくと見込まれます。FHIは世界の自動車市場において『日産パワー88』計画に伴うあらたな業務の受注を追及してまいります。本提携によりフォルシアと日産のグローバルな連携は更なる飛躍を遂げたと言えるでしょう」
豊和繊維工業株式会社代表取締役社長・澁谷明頼氏は「フォルシアはグローバルビジネスで確かな実績があり、また、当社はこれまで日本の自動車メーカーに幅広く自動車用インテリア部品を供給してきました。この両社による本提携を通じ、これからも日産とのビジネス拡充に注力してまいります」と語っている。
フォルシアは、3月末にニッパツと連携したシート製造の合弁事業の拡大を発表しているが、今回の豊和繊維工業との合弁事業決定により、インテリアの艤装やシートなど幅広いインテリア部品の領域で、日産のワールドワイド規模のサプライヤーとしてのポジションを確立することを意味している。