↑フォルシアとニッパツとの提携 ↑フォルシアの上級副社長、パトリック・コーラー
2012年3月29日、フランスの自動車部品メーカーでグローバルサプライヤーとなっているフォシアは、日本の部品メーカーである日本発条(ニッパツ)との業務提携を拡大すると発表した。両社は2001年10月に乗用車用シート製造の合弁会社として、フォルシア・ニッパツ株式会社とフォルシア・ニッパツ九州株式会社を設立している。同社は、日本、中国、タイ、スペイン、米国、南米のシート工場を通じ、日産自動車への供給を世界中で大幅に拡大してきている。フォルシア・ニッパツは自動車用シート部門におけるルノー・日産連合の戦略的パートナーとして位置付けられ、中長期的にみて非常に高い成長の可能性を持つとされている。2011年の同社の売上高は6億ユーロを超え、2015年には10億ユーロに達すると見込まれているのだ。
今回の業提携の拡大は、グローバルでの日産自動車向けのシートや内装の供給、サポートを強化することを目的としている。フォルシア・ニッパツは、新たに締結された技術契約および商業契約に基づいて大きな自動車市場である中国、米国で緊密に日産自動車の業務をサポートすべく、両国に支社を新設する予定だという。
フォルシアの自動車用シート部門の上級副社長であるパトリック・コーラーは、「フォルシアの自動車用シート部門は、フォルシア・ニッパツの業務を通じ、ルノー・日産のグローバルアプローチや日産の新中期経営計画『日産パワー88』達成へ向けた北米、中国、ロシア、ブラジルにおける市場拡大目標を受け、更なる成長が見込まれる」と語っている。
なお、フォルシアは2015年までの戦略的計画で、アジアにおける業務を2倍以上に拡大することを目標としており、売上高は2015年までに15億ユーロから40億ユーロへ達すると見込んでいる。
このようなアジアにおける業務の拡大は、主として中国、韓国、そして日本の自動車会社とのビジネスの拡大により達成されるとしている。その中で「日産パワー88」計画に基づくビジネが中心的な役割を果たすのだ。
また中国では、吉利ホールディンググループ・ボルボとの提携を最優先に位置付けている他に、その他企業とのパートナーシップも積極的に検討中だ。フォルシア・グループは中国に50の工場、4か所の完全出資の研究開発施設を持ち、1万5000人の従業員を擁しており、中国での売上高25億ユーロを目指している。
韓国では現代・起亜自動車グループに排気ガス対策技術だけでなく、自動車用シートやインテリアなどにおいても現在業務を拡大中だ。さらに、アジアにおける研究開発センターは中国だけではなく、韓国、インドにも開設しており、市場のニーズに合ったサービスを提供することを目指すとしている。