住友ゴム・グループのファルケン・タイヤ・ヨーロッパは、今週末の5月18日から21日にドイツで開催される世界最大級のツーリングカーレース「ニュルブルクリンク24時間レース(正式名称:ADAC TOTALENERGIES 24H NURBURGRING)」にファルケン(FALKEN)モータースポーツチームとして参戦する。
今年は参戦25周年となる記念の年であり、2台の最新モデル(タイプ992)の「ポルシェ 911 GT3R」で総合優勝を目指している。また、本年も「ファルケン」ブランドがこのレースのオフィシャルスポンサーとして協賛している。
さらに、昨年の「SP3T」クラスから「SP4T」にクラスを変更して参戦する「スバルテクニカインターナショナル」の「スバル WRX NBR CHALLENGE 2023」にファルケン・タイヤを供給し、ヨーロッパ、アメリカ市場を中心に高い評価を得ているファルケン・ブランドのさらなる価値向上を目指すことになる。
住友ゴム・グループは1999年以来、世界でも有数の過酷なニュルブルクリンク24時間レースに、FALKEN モータースポーツチームとして参戦を続けている。昨年は、日中と夜間の路面温度の急激な変化や2日目の突然の降雨など、激しいコンディション変化の中でのレースとなり各所でクラッシュが多発した。
過酷なコースと厳しい環境が重なり完走すること自体が難しいレースであったが、ファルケン・タイヤはドライ/ウエットグリップ性能や耐久性など、総合性能の高さを発揮し、2台のうち1台が総合9位で完走し、参戦したポルシェ車両の中で最高位の順位を獲得した。また、24時間レース以外の「ニュルブルクリンク耐久シリーズ」(略称:NLS)でも第5戦、第6戦で連続優勝するなど、シーズンを通して結果を残すことができた。
■ 新型車両に合わせてモデルベース開発
今年は、FALKENモータースポーツチームが使用するポルシェを最新モデルに更新し、新型「ポルシェ 911 GT3R」2台体制で参戦する。まだ走行実績のない最新車両に合わせたタイヤを開発するにあたり、住友ゴムは進化させたモデルベースタイヤ開発技術を駆使している。
車両のデジタルモデル(数値化されたデータのモデル)と目指す性能のタイヤのデジタルモデルを作成し、それをベースにシミュレーションを繰り返した。その結果、試作をする前にタイヤの仕様を絞りこむことができるようになっているのだ。デジタルモデルを利用した予測・設計工程を繰り返し行なうことで、試験機によるテストや実車テストの工程が削減可能となり、開発の効率化や試作タイヤの削減を実現している。
いよいよ今週末から戦いの火蓋が切られるが、ファルケン・タイヤ・チームがどのような戦いぶりを見せるか、期待は高まる。