コーニング PSAグループのピュアテック・ガソリン直噴エンジンにガソリン・パティキュレート・フィルターを供給

2017年8月31日、コーニングイン・コーポレイティッド(ニューヨーク)はPSAグループが2017年10月から同社のピュアテック・ガソリン直噴エンジンを搭載する全モデルにコーニング社のガソリン・パティキュレート・フィルタ(GPF)を供給すると発表した。

コーニング社のガソリン・パティキュレート・フィルタ(GPF) PSAに供給
デュラトラップGCフィルターのパティキュレート・フィルター部

コーニング社はアメリカに本拠を置き、強化ガラス製品、各種の触媒、ディーゼル黒煙粒子フィルター、排ガス用セラミック単体触媒、光ファイバー、エレクトロニクス製品、医薬品、化学製品も開発・製造するグローバル企業だ。

コーニング社は、従来のディーゼル用のパティキュレート・フィルターだけでなく、ガソリン直噴エンジン用の「デュラトラップ GC」と呼ぶ排ガス粒子フィルターの開発、製造を行ない、ドイツのカイザースラウテルンと中国・上海製造設備を増強してきた。

その理由は、直噴ガソリンエンジンから排出される微粒子は、ポート噴射方式に比べて2倍〜4倍多く、これに対して2017年9月から排ガスの微粒子物質の排出を規制する「ユーロ6C」が施行される。このため今後はガソリン直噴エンジンにも粒状物質を捕捉するパティキュレート・フィルターが必要となり、需要が増大すると見込まれるからだ。

プジョー、シトロエン、オペルを擁するPSAグループは世界の排ガス削減規制対応に努力しており、その一環として今回のデュラトラップGCフィルターを装備し、ピュアテック・エンジンを進化させた。PSAグループは、2000年に自動車メーカーとして初めてディーゼルエンジンにパティキュレート・フィルターを採用した実績を持ち、2017年5月は全モデルで排ガス削減を図る新戦略ステップとして全モデルにGPFを活用していくことを発表していまる。

今回の新たな排ガス制御技術のスタートは、PSAグループとコーニングの共同開発体制の成果で、コーニングは、セラミック関連技術、排気システムの統合に関する専門知識を活用して新型パティキュレート・フィルターを開発し、PSAグループの設計に組み込むサポートを行なっている。

コーニング社の環境テクノロジー部門のドイツ・南アフリカ担当ジェネラルマネージャーのクラウス・ヴェルシュタインは、「PSAグループが自動車設計を進めていく中で、当社の次世代排ガス制御ソリューションで貢献できることを非常に嬉しく思います。我々は、お客様に対して、新たな排ガス規制に応えるクリーンなガソリン車の設計をサポートする、実績ある様々な排ガス制御ソリューションを提供できる体制が整っています」と語っている。

コーニング社のガソリン・パティキュレート・フィルタ(GPF) PSAに供給 フィルターの働き概要イラスト
ガソリン用パティキュレートフィルターの働き

PSAグループは、1.2L、3気筒直噴ターボのピュアテック・エンジンを幅広く展開している。このエンジンは、第19回インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーで1.0〜1.4L部門「エンジン・オブ・ザ・イヤー」を3年連続で受賞している。

2014年の発売開始以来、ピュアテック・エンジンはフランス、中国で合計85万基以上生産され、世界70カ国/90モデル以上に搭載されるなどPSAグループを支えるエンジンとなり、最新のプジョー3008新型シトロエンC3などにも搭載されている。

なおこの最新のピュアテック・エンジンは、リアルワールドでの走行での排ガス量(RDE)の遵守を求めるユーロ6d規制、チャイナ6b規制にも適合している。

デュラトラップ GCフィルターは、ケイ酸塩ベースの材料組成で、エンジン排圧が低く、エンジン性能を維持したままガソリンエンジンから排出される微粒子を捕集する革新的なセラミックマイクロ構造が特長のパティキュレート・フィルターだ。

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