自動車業界向けに自然会話型のAI技術を提供するセレンスは2022年5月31日、同社のモビリティアシスタント技術が、中国の大手自動車メーカーSAIC (上海汽車集団)の傘下企業である「SAIC モビリティ ロボタクシー」の中国初となるレベル4自動運転のロボットタクシーのプラットフォームに採用されたと発表した。
セレンスのモビリティプラットフォームを活用することで、SAIC モビリティ ロボタクシーは、ロボタクシーと乗客との間のよりインテリジェントで自然な対話を可能にし、安全で快適な運行を実現している。
世界をリードするセレンス モビリティ プラットフォームは、OSに依存しないハイブリッド式組み込みクラウド対話型AIプラットフォームで、自動車メーカーやモビリティメーカーの技術革新をアシストする存在となっている。
音声、ジェスチャー、視線検知など多様なアプローチにより稼動でき、まるで人間とコミュニケーションを取るように自然な会話や指示で自在なサービスを提供し、ユーザーは車内外からデジタル空間にシームレスに接続することもできる。
さらに「SAIC モビリティ ロボタクシー」は、よりクリアで正確な会話ができるようにマイク入力からノイズを除去するセレンスの最先端技術であるAIベースの音声信号処理技術の活用も予定している。「Xiao Ke」 (シャアオ ケイ:AIアシスタントの呼び名) と呼び掛けるだけで「SAIC モビリティ ロボタクシー」の車載アシスタントは、エアコンの操作や窓の上げ下げの調整、後部座席から簡単に音楽などの車内エンターテイメントを楽しむなど、さまざまなユーザーニーズに対応することができるのだ。
「SAIC モビリティ ロボタクシー」は、「中国全土でロボタクシー利用の増加に伴い、車両と乗客との自然な会話は、この新しい交通形態とモビリティエクスペリエンスにおいて、消費者の信頼性と快適性を獲得する上で重要な要素となります。セレンス モビリティ プラットフォームは、業界をリードする会話型AI技術をロボタクシーに統合し、利用するお客様に安全かつ生産的で楽しい移動を提供します」とコメントしている。
「SAIC モビリティ ロボタクシー」は、SAIC 乗用車部門、SAIC AIラボ、自動運転技術企業のモンテナ、SAICの配車サービスプラットフォームであるSAIC モビリティなどのグループのリソースを結集して2021年12月に上海で正式に事業を開始し、都市部でのモビリティ手段としてレベル4の自動運転技術の実現のために、継続的に進化させる運営体制を構築している。
セレンスのステファン・オルトマンCEOは、「SAIC モビリティ ロボタクシーは、自動運転車の分野で驚異的なイノベーションを推進するグローバル・リーダーです。急速に変化するイノベーション環境では、信頼できるパートナーから導入しやすい高品質な技術を確保する必要があります。セレンスは、自動運転技術を軸にした都市モビリティの実現に向けて果敢に取り組むSAIC自動車グループとパートナーシップを継続できることを誇りに思います」と語っている。