2017年5月29日、ボッシュは自動運転のために必要な高精度カメラ技術を実現するためソニーの子会社「ソニーセミコンダクタソリューションズ社」と技術提携することに合意したと発表した。これにより、画像センシング技術と自動車関連技術のノウハウがドライバー支援システムや自動運転向けの画期的な新しいカメラを生み出すことににつながると予想される。
これからの高度ドライバー支援システムや自動運転では照度条件が厳しい環境でも、カメラで周囲をより速やかに検知することが求められる。例えば、晴天で太陽が低い位置にあるとき、運転中にまぶしく感じ、視界が制限されてしまったり、クルマがトンネルから出るときにまぶしい光を遮るためにサンバイザーが必要になることは経験する。明るさが十分でなはい場所から明るい場所に出るとき、外の明るさが急に変わるときに、人間の目はその変化にすぐに対応できないが、一般的なカメラでもそれは同じだ。
こうしたカメラ・センサーの問題点を改善するために、ボッシュとソニーセミコンダクタソリューションズは技術提携し、両社は今後照度条件が厳しい環境でもクルマの周囲を確実に検知できる最先端の画期的なカメラ技術の開発を目指すという。
「世界屈指の自動車部品サプライヤーであるボッシュと、イメージセンサーのマーケットリーダーであるソニーセミコンダクタソリューションズは、互いの技術ノウハウを持ち寄ります」と、ボッシュのシャシーシステム・コントロール事業部長を務めるゲルハルト・シュタイガー氏は語る。
レーダーセンサーや超音波センサーとともに、カメラは、現代のクルマにとって重要なセンサーだ。歩行者に対応した自動緊急ブレーキシステム、車線維持支援システム、標識認識システムなどのドライバー支援システムのためには、車載カメラが今日のクルマにはますます不可欠な存在となってきている。
カメラの利点は、物体を検知し、その生成された画像が非常に膨大な量の情報を持つという点だ。自動車業界のリーディングサプライヤーであるボッシュは長年にわたり、360度のサラウンドビューを可能にする単眼カメラやステレオ・ビデオカメラの生産に携わってきた。カメラは今後、自動運転を実現するための重要なコンポーネントとなるのだ。
そのためにはカメラのイメージセンサー技術で世界トップのソニーセミコンダクタソリューションズとドライバー支援システム、自動運転システムを開発するボッシュの技術提携は重要な意味を持っているといえる。