[相当マニアックなニュース] ボッシュ 自動運転に不可欠な3Dライダーのベンチャー企業「テトラヴ社」に出資

車両がダンボールでできた壁に衝突する様子をTetraVueの3D LIDARで捉えた図
車両がダンボールの壁に衝突する様子をテトラヴの3D LIDARで捉えた画像

2017年2月16日、シュトゥットガルトのボッシュ本社は、ボッシュ・グループ傘下の投資会社「ロバート・ボッシュ ベンチャーキャピタル」が、テトラヴ社への出資を完了したと発表した。テトラヴ社は、自動運転車両の機能に重要とされる超高解像度3Dデータ、画像技術の開発をリードする企業だ。

ロバート・ボッシュ ベンチャーキャピタルにとってこの投資は、自動運転車両用センサーとソフトウェア分野のポートフォリオのさらなる拡充を意味する。

ーーテトラヴ社の創業者であり社長のポール・バンクス氏

「ロバート・ボッシュ ベンチャーキャピタルを筆頭投資家兼パートナーとして迎えることができ、わくわくしています。関連技術のエコシステム全般において主要企業とつながりを持つロバート・ボッシュ ベンチャーキャピタルの豊富な経験と知識は、我が社が顧客やサプライヤー、投資家とのネットワークを広げるうえですでに役立っています」と語っている。

テトラヴ社の3Dライダー(測距システム)技術は、自動運転車両が走行中に突然現れる危険な障害物に備える対策に役立つと期待される。ボッシュは自動運転車両の開発と普及を積極的に推進しているが、テトラヴ社の持つ技術は、ボッシュが自動運転のマーケットリーダーとしての地位を維持するのに有用なのだ。

ーーロバート・ボッシュ ベンチャーキャピタル社のマネジングディレクターであるルイス・ロベラ。

「テトラヴ社の3Dスキャン技術は、既存の技術をはるかに凌駕しています。同社の技術は未来のモビリティに必須とされる自動運転車両の発展と強化に欠かせないと見ています」と語った。

テトラブ

2008年創業のテトラブヴ社は、フラッシュライダー(Flash LIDAR)技術に新しい発想を持ち込み、超高解像度の製品を開発中で、その可能性はすでに数年におよぶ実験研究で実証されている。

その技術は、天候条件に関係なく、最大200mの距離までで200万回かそれ以上の測距を同時に行ない、しかも消費電力は競合製品に比べ小さく抑えられている。

テトラヴ社の技術の最大の特徴、そして競合技術との相違点は、特許取得済みの「ライトスライサー」技術にある。この技術は、CMOSセンサーで光学的に時間と距離を計測することだ。この革新的アプローチは、信頼性が高く、車載システムとしての要求を満たすほか、遅延が小さく、より幅広い距離で超高解像度のイメージを捕捉でき、しかも低コスト、など数多くの利点、セールスポイントがる。

こうした機能、性能は自動運転車両に最適で、テトラヴ社はより小型のプロトタイプを商品化する計画を立てている。企業や消費者の視覚化に関するニーズがますます高度化する中、最高の効率で深みのある3D画像が得られる精緻な機械が求められているが、テトラヴ社の3Dカメラは、マッピングや拡張現実など、多様な業種の幅広い用途で重要な役割を果たすことになると予想されている。

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