2016年9月29日、ボッシュ・ジャパンは、日本国内での自動運転の開発を加速させるために、自動運転用のテスト車両を初公開した。また今後、自動運転などのシステム開発力を強化するために、既存の組織の枠を超えて開発に取り組む新組織、システム開発部門を日本国内に設立した。
現在、ボッシュはドイツ、アメリカ、日本の3拠点で自動運転の開発を行なっている。すでにドイツ、アメリカにおける開発では、複数のテスト車両が1万km以上を問題なく走行している。
そしてこのほど、ボッシュの自動運転開発のために日本国内で開発された新たなテスト車両が加わった。このテスト車両は、高速道路においてドライバーの監視がない状態で車両が自動で走行するハイウェイパイロットの実現に向けて開発されている。
日本では、2015年10月より公道での走行試験を開始し、ハイウェイパイロットの発展に取り組んでおり、左側通行など日本独特の複雑な交通状況から得られる自動運転のための貴重なノウハウが期待されている。
ボッシュは、これまで各製品の性能向上に取り組み、着実な成果をあげてきた。しかし同時に自動運転のような先進技術を実現するためには、各製品の連携を考慮したシステム開発が重要であるとボッシュは考えている。こうした背景により、ボッシュはシステム開発に特化した新組織、システム開発部門を日本国内に設立したことも注目される。
システム開発部門は、現在60名以上の様々な知識や経験を持ったエンジニアで構成され、エンジニアは製品ごとに存在する既存の組織の枠組みを超えたひとつのユニットとして、システム開発に取り組むことが可能になった。システム開発部門の新設により、ボッシュは日本の自動車メーカーに対して、より広範な開発のサポートを提供することが期待されている。