ボッシュは2022年12月23日、アメリカ・ラスベガスで2023年1月5日〜8日に開催される「CES 2023」(国際エレクトロニクスショー)に出展し、未来のモビリティと家庭用のスマート製品やサービスを展示すると発表した。
CES 2023に先立ち、4つのボッシュ製品がCESイノベーションアワードを受賞した。さらに「ベスト・オブ・イノベーションアワード」受賞製品がイベントで発表される予定になっている。
■車両用の並行オフセット衝突検知システム:車両用の並行オフセット衝突検知システムは、さまざまなセンサーデータと新しいソフトウェア・アルゴリズムを用いて、車線変更、合流、交差点横断時によく発生する、これまで検知されなかった衝突シナリオを追加検知することが可能。検知ゾーンが増えることで、エアバッグや安全拘束装置をタイムリーに作動させることができる。起動アルゴリズムの強化により、自動車メーカーは既存のセンサー構成を使用できるためハードウェアの変更が必要ないのも特長。
■ビークルダイナミクスコントロール2.0:ビークルダイナミクスコントロール2.0は、ブレーキ、ステアリング、パワートレイン、サスペンションなど、異なる車両領域のアクチュエーターの能力を最大限に活用する、革新的な先読み制御コンセプトを採用。この機能はビークルダイナミクス・センサーからの情報に基づいて車両の挙動を予測し、先を見越して介入する。その結果、ドライバーは車両を完全にコントロールしながら優れた安全性、俊敏性、快適性を特徴とする、自然なドライビング感覚が得られる。ビークルダイナミクスコントロール2.0は、ブレーキシステムやドメイン、ゾーン、セントラルコントロールユニットに柔軟に展開できるのも特長だ。
■インフォテインメント、先進運転支援(ADAS)機能を1台の車載コンピューターで実行:ボッシュは複雑化する将来の車両システムを管理するために、より集約化されたE/Eアーキテクチャへの道を開拓している。将来的には、ごく少数の非常に強力な車載コンピューターが、複数の車両機能を実行するようになる。次世代インフォメーションドメインコンピューター(IDC)は、インフォテインメント領域の機能だけでなく、駐車支援やサラウンドビュー機能などのADAS機能を統合することができる。
■ソフトウエア・ディファインド・ビークル(SDV)開発ツール:モビリティは激的な変化を遂げており、ソフトウェアが主役となりつつある。ロバート・ボッシュGmbHの子会社であるETASは、完全にプログラム可能なソフトウエア・ディファインド・ビークルのビジョンを実現し、ソフトウェア中心の機能開発において自動車メーカーを支援するために、高度に統合されたエンドツーエンドのソフトウエア・ディファインド・ビークルプラットフォームとツーリングエコシステムを提供する。これにより、迅速なデータドリブン型の開発と自動車用ソフトウェアの、安全で確実で効率的な運用が可能になる。
■レベル4自動運転向けの長距離LiDAR:LiDAR(ライダー)センサーは、安全で信頼性の高い自動運転(レベル4)を公道で実現するために必要なコンポーネントのひとつだ。LiDARはレーダーやビデオセンサーとともに、車両周囲360度の冗長性のある認識、検知や位置特定を実現するために不可欠とされている。ボッシュはCES 2023において長距離LiDARセンサーの性能を実演する。このセンサーは量産用に設計されており、優れた解像度と長い検知距離を提供して、市街地、郊外、そして高速道路で威力を発揮することができる。
■車室内モニタリングシステム:車室内モニタリングは、車内の全乗員の安全性、快適性、利便性を向上させることができる。ボッシュはカメラベースのドライバーモニタリングシステムと乗員モニタリングシステムを提供しており、現在はキャビン・センシングレーダーで製品ポートフォリオを拡大している。
このシステムは、法規制や新車アセスメントプログラム(NCAP)などの消費者テストの要求に応じて、ドライバーの注意散漫や眠気の兆候に加え、子供が車内に置き去りにされていないかどうかを検知できる。複数のセンサーを融合させ、乗員の存在検知などの機能の確実性を高めると同時に、ドライバーの健康状態の感知などの新しい機能を可能にする。
■高効率のeAxleとパワーエレクトロニクス:ボッシュのeAxleシステムは電気自動車向けのコンパクトでコストパフォーマンスの高いパワートレインソリューションだ。このeAxleは、メインのパワートレインとしても、そしてさらなるブーストとパフォーマンスを提供するサブパワートレインとしても、あらゆる車両セグメントに対応可能で柔軟性に富んでいる。
パワーエレクトロニクスはeAxleシステムの重要な部分で、単体のSiC(シリコンカーバイド)半導体から、冷却器付きもしくは無しのパワーモジュール、さらには最大99%の効率を達成するインバーターまで、様々な形態での提供が可能となっている。なおSiC半導体の自社生産により、様々な要求に対応が可能だ。
■コンビニエンス・チャージング:ボッシュのコンビニエンス・チャージングは、電気自動車とドライバーをサポートするシステムだ。充電ポイントを個別に推奨するルートプランニング、継続的にアップデートされる正確な航続距離予測、簡単な支払方法による世界中の公共充電ネットワークの利用、最適なコストでの自宅充電などの機能を提供することができる。
■バイク用最新システム:ボッシュは2021年に導入したeBike用スマートシステムを、新製品でさらに拡張。このスマートシステムはeBikeの未来を指し示すもので、相互接続された高品質のコンポーネントとOTAアップデートによって継続的に性能アップできる実用的な機能を兼ね備えている。ハイライトのひとつが、新しいeBike用 ABS(アンチロック ブレーキ システム)だ。
ボッシュのeBike ABSは、カーゴバイクで街中を巡る場合でも、マウンテンバイクで難易度の高いトレイルに挑む場合でも、さまざまなタイプのeBikeの要件を満たすように設計されているため、より効果的に事故を減らすことができる。他にも機能を絞り込んだコントロールユニットのMini RemoteやSystem Controller、追加の盗難防止対策となるeBike Alarmなどのデジタルサービスも、eBikeスマートシステムを構成する新製品だ。
■「EVERSE 8」(バッテリー式の本格的なプロ用オーディオ):Electro-Voice初のバッテリー搭載式の全天候型スピーカー「EVERSE 8」は、持ち運び可能で、ワイヤレスのオーディオを楽しめる。オールインワンPAシステムのデザインコンセプトが、幅広いユーザーに本物のプロ用オーディオパフォーマンスを提供。ミュージシャン、DJ、フィットネス/アクティビティ・インストラクターなど、プロからアマチュア、レクリエーションユーザーに至るまで、優れた音質やライブ演奏での使いやすさ、明瞭なボーカル、そしてオーディオ再生を楽しむことができる。
■AIセキュリティソリューション:ソフトウェア・ソリューションのAIShieldは、クラウドベースのソリューションを含め、新たなセキュリティの脅威に直面しているAIベースの医療機器を保護し、脆弱性分析とエンドポイント保護を提供。このソリューションは、患者の安全と規制順守の管理を支援し、医療技術企業の持続可能な事業成長を可能にする。