ドイツ・ハノーバー発:自動車部品サプライヤー大手のボッシュはシュトゥトガルトで開かれたIAA国際商用車ショーで新たなるソリューションと事業展望について、自動車機器テクノロジー統括部門長のベルント・ボア氏のコメントをピックした。
↑ボッシュ テクノロジー統括部門長ベルント・ボア氏
コモンレール式ディーゼルエンジンが開発され、また、ガソリンエンジンでも燃料噴射用インジェクターには高い噴射力をもつ製品が求められてきている。ボッシュでは最新世代の商用車用コモンレールシステムで噴射圧が2200barで2012年からは一部のアプリケーションに限られるが2500barのシステムを供給するとしている。
高圧力噴射インジェクターを使用することで、エンジンの出力密度と効率性が高められ、燃費の向上や高効率燃焼を助けるため、クリーンな排気にもつながる。その結果走行コストの削減にもつながり、ボッシュが提供する後処理装置のDENOXTRONICは燃費と排出ガス低減に貢献しているといえる。
また、ハイブリッドシステムは走行効率を高める技術として重要なソリューションであり、ボッシュは現在2種類のハイブリッドシステムを提供している。ひとつは、小型・中型商用車用の電気式ハイブリッドでパラレル・フル・ハイブリッドである。このシステムは小型のバンやミニバスに簡単に導入が可能で燃費を20%?25%程度の低減が可能という。
もうひとつは油圧式ハイブリッドシステムで、ボッシュの子会社であるボッシュ・レックスロスが製造している。このシステムはゴミ収集車に初めて導入され、燃費低減だけでなくブレーキ磨耗も少なくなるメリットもある。
他にも超高効率オルタネーターや天然ガスをディーゼル車で使用するためのCNG技術、ESC(横滑り防止装置)を商用車にまで拡散させるなど、革新技術の幅広さと世界的な事業展開を推し進め、ボッシュの成長は経済危機後もさらに加速するだろうと締めくくった。