ボルグワーナー 2ステージ可変ジオメトリー・ターボ「R2S」を開発し、BMWに供給

2017年11月8日、ボルグワーナーは、BMWグループの多くのモデルに搭載されている出力235kW(315ps)のディーゼルエンジン用に、2個の可変タービンジオメトリー(VTG)ターボチャージャーを搭載したレギュレーテッド2ステージ(R2S)過給システムを供給すると発表した。

この可変ジオメトリーターボを2連装したR2Sは、ブーストのかかりが早く、素早い加速を実現し、大幅な排出ガス削減と燃費改善を実現している。

ボルグワーナー 可変タービンジオメトリー(VTG)ターボチャージャー レギュレーテッド2ステージ(R2S)過給システム
大小2個の可変ジオメトリーターボを組み合わせたR2Sシステム

このボルグワーナーの最新ターボチャージャーは、2個のVTG(可変ジオメトリー)ターボチャージャーを直列に接続。小型の高圧段ターボチャージャーは、主にエンジン低回転領域における過給を担う。エンジン回転数が上がると、徐々に大型の低圧段ターボチャージャーの過給に切り替わるシーケンシャルシステムだ。

ボルグワーナー 可変タービンジオメトリー(VTG)ターボチャージャー 作動イメージ
R2Sの作動イメージ

低圧段側にもVTGターボチャージャーを採用することによってエンジンの過渡応答性を従来より向上させ、優れた加速性能を得ることができる。レスポンスよく応答するR2Sシステムは、ターボラグの最小化と、排出ガス低減、燃費の向上も実現することができる。

ボルグワーナー 可変タービンジオメトリー(VTG)ターボチャージャー 4ターボシステム
2ステージ・ターボの2組組み合わせた4ターボ・システム

さらにボルグワーナーは2017年11月14日に、このR2Sターボシステムを2連装した、つまり4個のターボを装着したシステムを、BMWの最新ツインパワー・ターボ・ディーゼルエンジン用に供給すると発表した。低圧段および高圧段それぞれに利用してきた2ステージ・ターボシステムを2基ずつに応用することで、エンジン回転数全域にわたり継ぎ目のない滑らかな出力を実現し、同機種の旧型エンジンと比べて最大4%の燃費向上を実現する。

4基のターボチャージャーを搭載した先進的な2段過給システムは、新型3.0L直列6気筒ディーゼルエンジンの性能向上に貢献し、最高出力294kW(394ps)、最大トルク760Nmを実現。このシステムでは低圧段ターボチャージャーをより小型の2基のターボチャージャーに置き換えることで、システム重量を増やすことなく、イナーシャを低減して応答性を高めている。

低回転数時には、片方の高圧段ターボチャージャーが過給圧を迅速に高め、ターボラグを感じさせることのない素早い加速を実現し、高排気流量時には、両方の高圧段タービンが作動して容量を増大させることができる。

ボルグワーナーの2ステージ・ターボシステム「R2S」は、すでにフォルクスワーゲン・グループのディーゼル、ボルボのドライブEディーゼル、ジャガー・ランドローバーのインジニウム・ディーゼルなど幅広く採用されているが、インジニウムD以降は可変ジオメトリーターボを採用し、過給圧がレスポンスよく、スムーズにかけられることを追求しているが、ついに直6エンジンに2ステージ・ターボ×2の4ターボシステムを作り上げたのだ。

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