2017年9月27日、グローバル・サプライヤーのボルグワーナーは世界的に有名な電気自動車メーカーの新型車両に先進的な高電圧PTCヒーターを技術供給すると発表した。
電気自動車は、エンジン排熱が存在しないため、室内の暖房が大きな問題となり、電熱ヒーターを使用すればバッテリーの電力を消費し、結果的に走行可能距離を短くしてしまうという問題を抱えている。
ボルグワーナーの開発した高電圧ヒーターは、送風機から送られる空気をPTCヒーターで暖め、無臭の温風を送ることで快適な車内環境を提供。高効率の暖房によりバッテリーの電力消費を抑えることができる。
PTCヒーターは「正温度係数型」と呼ばれ、温度が上がるにつれ、電気抵抗値が変化し、次第に電気が流れにくくなる特性を持つ。
ボルグワーナー製はヒーターコアにはセラミックのPTCコンポーネントを使用し、暖房が最も必要とされる低温時に暖房出力が上昇する自動制御機能を備えている。車内の温度が上昇して暖房が不要になると、出力が自動的に下がる。最大7kWのヒーター設計は、デュアルゾーン暖房機能を持ち、シングルゾーン機能よりも効率的に車内を暖め、暖房・換気・空調システムをほぼ無音で稼働させることができる。
ボルグワーナーの製品には、ハイブリッド車、電気自動車向けの製品が展開されているが、この高電圧PTCキャビンヒーター技術もそのひとつである。