グローバル・サプライヤーのボルグワーナー社は駆動システムの需要が世界規模で変化し、燃費、走りの性能を満たすため、フルハイブリッド、電気自動車(BEV)以外に、48Vマイルドハイブリッド技術が重要なステップになると考えている。
同社は、マイルドハイブリッド車を含むハイブリッド車の年間生産台数が2027年までに約2500万台に達し、48Vシステムは世界のハイブリッド車市場の60%超を占めることになると予測している。
そのためボルグワーナーは、2015年にスターター/オルタネーター製造業のRemy社を買収し、電動車両向けインバーターのサプライヤーであるSevcon社を2017年中に買収するなど、幅広く48Vマイルドハイブリッド技術を開発し、量産化の体制が整ったと2017年9月19日と発表した。
同社は48Vシステムの一環として電動コンプレッサー「eBブースター」やiBAS(ベルト駆動式スターター/ジュネレーター)といった製品により、ブレーキ・エネルギーを回生・保存してさらなる駆動力、燃費、性能を引き出すことができるシステムとしている。
既報のように現在、eブースターの量産化が行なわれており、メルセデス・ベンツSクラスの最新式3.0Lガソリンエンジン用を始め、グローバルに自動車メーカー3社への納入を開始している。48Vマイルドハイブリッドに電動コンプレッサーを組み合わせる技術は、各サプライヤーの中でもボルグワーナーとヴァレオ社のみの特長になっている。
ボルグワーナーによれば48Vマイルドハイブリッドで最大20%の燃費を向上させることができるという。
ボルグワーナーの最高経営責任者 ジェームズ・R・ベリアーCEOは、「当社は、電気駆動の自動車に対する需要の増大に大きな期待を持っています。クルマの電気駆動化は業界にとって大きな転機となるでしょう。48Vシステムの量産化は、よりクリーンで、よりエネルギー効率に優れた製品という最終目標の達成につながると考えています。当社は、幅広い製品群とシステムに関する深い知識を生かして、自動車メーカーの目標達成を迅速に支援することができます」と語っている。
なおボルグワーナーは、フランクフルト・モーターショーに、48Vシステム、電動アクスル・ユニットなどを出展している。