ボルグワーナー 電動デフ「eXD」の供給を開始 左右輪のトルク制御をインテリジェントにコントロール

グローバルサプライヤーのボルグワーナーは2024年8月6日、中国のGACモーター(広州汽車)、東アジアのグローバル自動車メーカー、ヨーロッパのグローバル自動車メーカーと電動クロスデファレンシャル(eXD)を供給する契約を締結したと発表した。

これらの自動車メーカーは、ハッチバックからスポーツカー、そして高級セダンまでの各種モデルを持ち、後輪駆動、前輪駆動の電気自動車に「eXD」を搭載する予定だ。GACモーター向けはすでに生産が開始されており、他のメーカー向けの生産は 2026年中に開始される予定だ。

ボルグワーナーの「eXD」は、電動トルクマネジメントシステム(eTMS)製品群に属する部品だ。これらの製品は左右のホイールの駆動力を電子制御によりインテリジェントに制御することで、ホイールの空転を抑制し、車両安定性を高め、高い運動性能を実現。発進時や加速時のトラクションを向上させることができる。なお、「eXD」はe-アクスル内に格納される。

電気自動車は各輪へのトルク配分が適正に制御されていない場合、モーターからの高トルクが車両性能を十分に引き出せないことがあるが、駆動システムに「eXD」を追加することで、左右輪のトルクをインテリジェントに制御することが可能となり、ホイールの空転を抑え、トラクション、コーナリング、車線変更などの性能が向上すると同時に駆動効率も改善される。

「eXD」システムは、厳しい走行条件下でもエネルギー効率の高い方法により効果的に走行時の安全性を向上させることができるわけだ。

「eXD」は、電気自動車、ハイブリッド車、内燃エンジン(ICE)車などの前輪、後輪駆動ユニットを含むすべての駆動システムに適合し、車両性能のニーズに応じて幅広いモードを選択できるようになっている。

完全にスケーラブルでカスタマイズ可能な技術であり、自動車メーカーはそれぞれのプラットフォームに適した性能特性や挙動をプログラムすることが可能だ。

長年積み上げてきたノウハウ、およびプラットフォーム開発に基づいて開発された「eXD」は、車両との効率的でインテリジェントな通信を可能にし、オンデマンドで動作し、サイバーセキュリティから機能安全性までの要件をサポートするオンボード統合コントローラを搭載している。

さらに、車輪のスリップのアダプティブ制御により、ブレーキシステムの使用頻度を減少させることにより排気ガス以外の粒子状物質の環境への排出を削減することもできる。

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