ボルグワーナー 最先端のセルとバッテリーパック技術をBYD子会社と共同で開発

メガ・サプライヤーのボルグワーナーは2024年3月4日、中国のBYD社の子会社であるFin Dreams Battery(FDB:弗迪電池)と戦略的提携関係を結ぶ契約を2月8日に締結したと発表した。この契約により、ボルグワーナーはFDB傘下ではない、唯一の非OEM現地メーカーとして、ブレード形バッテリーセルを使用した商用車用向けLFP(リン酸鉄リチウムイオン電池)バッテリーパックをヨーロッパ、アメリカ、アジア・太平洋の一部地域で現地生産する権利を取得したことになる。なお契約期間は8年間となっている。

ボルグワーナーは、FDBから対象地域において、LFPバッテリーパックの製造に使用する最先端のブレードセルの供給を受けると同時に、バッテリーパックの設計と製造工程に関するFDBが保有する知的財産の使用を可能にするライセンスを取得したことになる。

ボルグワーナーのフレデリック・リサルド最高経営責任者は、「FDB社は、中国とヨーロッパのモビリティ業界向けLFPバッテリーでは20年以上の経験と実績があり、この分野における最適なパートナーであると確信しています。この市場セグメントのさらなる電動化推進のため、最先端のセルとバッテリーパック技術を共同で開発できることをうれしく思います」と語った。

Fin Dreams Battery社は2019年にBYD社の子会社としてスタートを切っており、EVの駆動用バッテリー、固定型大型蓄電池システム、民生用リチウムイオン・バッテリー、高電圧用電子部品、バッテリー・マネジメント・システムの研究・開発、生産を担当している。

つまりBYDのブレード形のリン酸鉄リチウムイオン・バッテリーはFDB社が開発、製造しているのだ。ニッケル、マンガン、コバルトを正極に使用する3元系リチウムイオン・バッテリーに比べて、リン酸鉄リチウムを正極に使用するLFPリチウムイオン・バッテリーはより低コストで安全性が高く、3元系より出力がやや低い点は高集積型とする対策を採用することでEV向けとして高い競争力を備えている。

ボルグワーナーは、ヨーロッパ、アメリカ、アジア・太平洋地域でLFPリチウムイオン・バッテリーの商用車向けバッテリーの製造・販売が可能になり、多くの自動車メーカーにとって、BYDと同等のバッテリー供給が可能になったことは画期的である。

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