ボルグワーナー 競争領域での強さを発揮したEV用重要部品のOEM供給を契約

グローバルサプライヤーのボルグワーナーは、2023年8月15日、EV用の重要部品を各自動車メーカーに供給する契約を発表した。

■ 800V クーラントヒーター(HVCH
ボルグワーナーは、EV用の熱エネルギーマネジメントソリューションのグローバルサプライヤーと契約を結び、大手OEMが開発している3種類のEVプラットフォームに使用する高電圧クーラントヒーター(HVCH)を納入することを決定した。

このHVCHは冷暖房モジュールに組み込まれ、EVのバッテリーパックとキャビン内に熱を供給するために使用されるものだ。EVのバッテリーは寒冷時には加熱し、高温時には冷却することで性能が確保されるため、温度管理モジュールはきわめて重要な部品なのだ。

この800VのHVCHは、厚膜ヒーターとろう付けアルミニウムフィンにより、小型・軽量設計を実現したソリューションとなっている。さらに、このヒーターは、急速充電に必須となっている800V電源システムにおいて、最適で安定した熱伝導特性を備え、低熱質量と高効率により加熱応答性が高速であり、かつコネクターは高い柔軟性を備えた設計となっている。

さらに、業界の最新の安全要件に準拠したボルグワーナーの熱マネジメントソリューションは、オーバーヒートなどの熱現象を防止する機能も備えており、システムがエラーを検出した場合は、自動的に電源を遮断するように設計されているのも特長だ。

800V HVCHは、この種のヒーターとしては北米では初めての製品で、ボルグワーナーにとって今回のOEMでの採用が、初めての納入実績となる。なお、ボルグワーナーは、今回納入するメーカーに過去に400Vのヒーターを直接供給した実績があり、今回の納入契約につながったという。

■ ヨーロッパ・プレミアムメーカーへの800V HVCH供給拡大
またボルグワーナーは、ヨーロッパのプレミアムメーカーが開発した中型電気自動車EVプラットフォーム向けのHVCHも受注した。

この受注は2022年7月に同社の小型EVプラットフォーム向けに初めて供給して以来となる。800V 3kW HVCH単板ヒーターは、EVのバッテリー温度を最適に保つために使用される。なおこのHVCHの生産開始は、2025年の予定となっている。

EVの性能を最適化するにはバッテリー・システムにおける熱管理が不可欠だ。バッテリーパック内の温度を管理することでエネルギー出力を最大化し、高い熱出力密度と高速応答性を実現することができる。

この800V HVCHは、ステンレス鋼の基盤に最新の厚膜発熱体(TFE)を採用している。TFEから発生する熱は、一連のフィンを介して効率的に冷却水に伝導され、加熱ユニットは、熱衝撃、振動、機械的ストレスに耐える堅牢なアルミダイキャストハウジングにパッケージされ、高い電磁シールド性を発揮し、信頼耐久性を備えている。

■ EVプラットフォーム向け電気モーター、ステーター、インバーター
ボルグワーナーは、新開発のEVプラットフォーム向けに電気モーター(eMotor)、ステーター、インバーターを東アジアの大手自動車メーカーに供給することを発表した。両社の技術的パートナーシップは20年以上も継続しており、新開発のEVプラットフォームに採用されることになった。

最新のステーター巻線技術を採用した永久磁石同期モーターは、業界をリードするパワーとトルク密度を達成し、さらにはピーク効率は95%を超えている。

ボルグワーナーの電気モーター製造能力は汎用性が高く、最新のパワーエレクトロニクスとのコンビネーションにより、新規に開発されるEVプラットフォームに電力を効率的に供給することができる。

ボルグワーナー パワードライブシステムズ社の社長兼ジェネラルマネージャーのステファン・デメール博士
「エキサイティングな自動車プラットフォームの新規開発に貢献することで、東アジアの大手OEMとの長年の関係をさらに発展させることができ、うれしく思います。ボルグワーナーは同社と長年にわたり良好な関係を築いており、最新のドライブモジュールの開発も効率的かつ確実にサポートし続けるという信頼を得ています」と語っている。

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ボルグワーナー 公式サイト

COTY
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