ボルグワーナーは2018年10月26日、すでに量産化している電動コンプレッサー「eBooster」と48Vのベルト駆動式モータージェネレータユニット(MGU)を組み合わせた画期的なデモンストレーション車両を発表した。
小型の電動コンプレッサー「eBooster」は、コンプレッサーの駆動に電動モーターを利用するため、排気ガスの流れに左右されず優れた低速トルクを実現できる。eBoosterは、吸気経路のさまざまな場所に、アクティブ制御のバイパス弁と組み合わせて取り付けが可能だ。
優れたシステム効率、卓越したパワー密度、応答性の向上により、ターボラグを事実上解消することができる。この技術によりポンピングロスを低減するほか、低速トルクの向上によりエンジンのさらなるダウンサイジングとダウンスピードが実現できる。
従来のジェネレーターより高出力化された48Vのモータージェネレーター(MGU)は、ベルトドライブ式でエンジンのクランクに接続される。このマイルドハイブリッド技術により、回生エネルギーを十分に回収でき、電気エネルギーとして貯蔵され、必要に応じて駆動アシストすることで燃費性能を向上させることができる。このMGUは48Vで、最大25kW(34ps)の入出力が可能で、スムーズなエンジンスターターとしても機能する。
またモーター制御用の電子部品を統合して搭載したモータージェネレーター(MGI)もラインアップされている。このユニットは複数のバリエーションが展開され、さまざまな性能要件に対応可能だ。
この「eBooster」と48VのMGUの組み合わせは、既存のエンジン・レイアウトであっても容易に装備可能で、コスト効率に優れている。このシステムによりエンジンのダウンサイジング、ダウンスピード、ブレーキによる減速エネルギー回生が実現し、同時に低速時のエンジントルクを向上させることができ、今後の燃費低減、CO2の削減のために不可欠とされる48V電動化技術にとって理想的な組み合わせとなっている。