018年7月31日、グローバル・サプライヤーのボルグワーナーは、北米の大手自動車メーカーのハイブリッド車(HEV)用、プラグインハイブリッド車(PHEV)車用に、新たに開発した革新的な排熱回収システム(EHRS)の生産を開始すると発表した。
排熱回収システムは、通常は排出される排気ガスの熱を利用し、エンジンの暖機時間を短縮するので、燃費を向上させる効果があり、ガス排出量も大幅に低減させることができる。このコスト効率に優れたユニットは、コンパクトで軽量なため、既存の車両に容易に導入できるのだ。
ボルグワーナーは、以前から生産している排気ガス再循環(EGR)システムや排熱リカバリーシステム(WHRS)を組合わせ、EGRクーラーやEGRバルブなど、様々な排気系のソリューションを提供することができる。
排熱回収システム(EHRS)は、排ガス内の熱エネルギーを使用することによって機械損失が低減できる。エンジンの冷間始動時に、バルブが排ガスの流れを制御して熱交換器に誘導。そこで排ガスの熱エネルギーがエンジンの冷却水を加熱する。それによって、エンジン暖機が早まり、排ガスの排出量が低減され、燃費効率が改善するという仕組みだ。
そして低圧EGRバルブがエンジンの燃焼室内の温度を正確に制御し、エンジン効率と燃焼タイミングを改善する。こうした技術によって、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)を低減することができる。
ボルグワーナーのエミッションおよびサーマルシステムズの社長兼事業本部長のジョー・ファドゥールは、
「冷間始動時のエンジンが最適な運転温度に達するまでの間は、燃費効率は極めて低く、ガス排出量レベルは高くなるため、今後の排出ガス規制をクリアする上での課題の一つとなっています。当社のEHRSは、エンジン暖機時間を最小限に抑え、世界各国の自動車メーカーが新たな厳しい規制を遵守する上で役立つソリューションです。当社はEHRSによって、ガス排出量を低減する高効率ソリューションに対する需要の高まりに応え、クリーンテクノロジーのリーディングサプライヤーとしての位置付けを強化しています」と述べている。