【スタッフ通信】インスターEVのワールドプレミアと巨大な現代マザー工場見学 2/5

FMヨコハマ「ザ・モーターウィークリー」のDJ&モータージャーナリストの高橋アキラです。前回は韓国で覆面カー「インスター」に試乗したことをお伝えしましたが、今回は釜山モーターショーでワールドプレミアされた様子、ヒョンデのマザー工場などの情報をお伝えします。

さて、プロトタイプのインスターに試乗した翌々日に、釜山モーターショーでキャスパーEV(グローバルネーム:インスター)がワールドプレミアされました。釜山モーターショーは出展メーカーが少なく、ヒョンデだけが目立つイベントです。

そもそも韓国に自動車メーカーはどの程度あるのか聞いてみたところ、8割はヒョンデグループだそうで、それ以外ではKG mobility、GM korea、ルノーサムスン(ルノーコリア)などがある程度。

実際ソウル、釜山の街中で見かけるクルマのほとんどがヒョンデで、ヒョンデ中心のモーターショーでも特段おかしなことでもないんですね。

一方で、輸入車はもちろん市中を走っており、レクサスがちょっといて、ポルシェ、BMW、アウディ、メルセデス、VWはよく見かけます。特にBMWが人気のようで、3シリーズより上位のセグメントが多いことに驚かされます。つまり日本だと800万円クラスより上のクルマが多く、国力で負けているのか?日本と言いたくなります。

他に目立つのはヒョンデのプレミアムブランド「ジェネシス」が大きなスペースを使い、プレゼンテーションをやっていました。

G90がベースと思われるNEOLUM CONCEPTは、ステーションワゴンで対面型シートに変更できるタイプのエグゼクティブ仕様で、他にG80のEVも発表されました。G80はメルセデスベンツのEクラス相当のモデルで、G90はSクラスですね。

そしてプレイステーションとのコラボでスーパースポーツモデルのコンセプトカーを発表したりで、ヒョンデグループのモーターショーは、KIAを含めモーターショーらしい演出を行なっていました。ルノーコリアはおそらくARKANAと思われるSUVのプレゼンテーションを行なっていました。

また取材陣も、これらのモーターショーを取材しているのは韓国人がほとんどで、こじんまりとしたイベントでした。

釜山モーターショーを見学したあと、ヒョンデのマザー工場を見学することができました。しかしこれが、資料は渡せない、写真撮影は禁止でスマホのカメラにシールを張り、録音もNGという厳戒体制での見学です。

工場の生産能力は3000台/日、最大4500台ということで、年間110万台規模の生産工場になります。

製造ラインとしては4ラインを最低でも所有している大規模工場であることがわかりますね。見学できたのはジェネシスの大型セダンを生産するラインでしたが、他モデルが他のラインで生産されていることは間違いなく、ヒョンデのマザー工場という位置付けです。

そして海外輸出する輸送船の見学もできました。輸送船は国内メーカーが海外に輸出する時に使うものと同様で3000台前後の船載能力の輸送船で、欧州、北米などへのルートが釜山港から運び出されています。北米西海岸には約2週間、東海岸には1か月、そしてドイツには45日の輸送時間という長旅でした。

またこの釜山港からは年間150万台のヒョンデ車両が輸出されており、他工場からもこの釜山港へ運び込まれて世界へと運ばれています。グローバル販売台数で世界3位を争う巨大モーターカンパニーであることを実感しましたね。

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COTY
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