スーパーGT「グリーンプロジェクト2030」発表 CO2排出量半減を目指す

国内最大規模の集客をするスーパーGTのプロモートをするGTアソシエーション坂東正明会長が「2022 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」で定例会見を開き「SUPER GT Green Project 2030」を発表した。

これはスーパーGTシリーズにおける環境対応ロードマップで、2030年までにシリーズ全体のCO2排出量の半減を目指すというものだ。

プロジェクトの骨子は、参戦自動車メーカー、タイヤメーカー、エントラントならびにJAF、オーガナイザー(主催サーキット)等と歩調を合わせ、シリーズ全体のカーボンニュートラル化を推進するというもの。

具体的にはカーボンニュートラル燃料(CNF)の導入、持ち込みタイヤセット数の削減、タイヤ・部品のロングライフ化、さらなる燃費向上技術の開発促進などのほか、観客にも協力を仰ぎ、サーキット内のゴミの削減やプラスチックゴミの再利用促進等を目指す。

そして、これらの取り組みの進捗と結果を広く社会に周知し、幅広い層の人たちからの理解を得ることで、可能な限り長期間に渡りICE車両およびHEVによる「音があるレース」を世界各国に届ける環境づくりを推進するというものだ。

GTアソシエーションの坂東正明会長

まずは23年からCNFを導入

ロードマップとして、来年の2023年からGT500/GT300両クラスでバイオマス由来の非化石燃料であるCNFを導入する。つまり100%ガソリンを使用しない代替燃料によるレースとなるわけだ。

2024年〜2026年では、24年にGT500の新型車両の導入を予定。各種燃費向上技術の開発促進という狙いがある。そして持ち込みタイヤセット数はさらなる削減をし300kmレースではドライ用4セット、ウエット用5セットに削減。また450km以上では現行の7セットから6セットへと変更する。

2027年〜2030年では、27年にGT500の新型車両導入としHEVなどの電動化技術の採用を促進。23年内に検討するとしている。またGT500/GT300クラスで国産のe-Fuel導入を目標にしており、ENEOSなどに開発の協力を促すことになる。

そしてサーキット内のゴミ削減。プラスチックゴミ等の再利用の促進を掲げ、観客一人が1kgのゴミを減らせば年間で40万トンのゴミを減らすことが可能という計算になり、こうした行動がカーボンニュートラルにどう繋がっていくのかを検証し、進捗・結果を周知していくとしている。

こうしたグリーンプロジェクト2030に対し、最終戦が行なわれたモビリティリゾートもてぎには、環境省、資源エネルギー庁やモータースポーツ議連らの役人、議員が視察に訪れていた。

GTAとしては2023年から100%化石燃料からの脱却であり、最先端のモータースポーツに位置付けられ、国のインフラに結び付けられるようにする狙いがある。

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