2012年・第40回ニュルブルクリンク24時間耐久レースの季節がやってきた。今回のレースには172台が出走し、公式予選から、ポルシェ、BMW、アウディ、メルセデスなどワークス系チームの戦いが繰り広げられた。今年は総合トップを争うGT3マシンの実力が伯仲し、まったく予断を許さない。昨年、予選を撹乱したフェラーリ458 GT3のトップクラスは参戦せず、ドイツ4メーカーの争いとなっている。
目覚ましい実力を見せているのがワークスマシンのBMW Z4 GT3で、アウディR8 LMS ultraが肉薄、拮抗した争いを演じている。最近の常勝チームである、マンタイ・ポルシェ911GT3 Rも一発のタイムではこれらにかなわない。ユーザーチームが多数参戦しているメルセデスSLS AMG GT3がこれら3メーカーのマシンの間に割って入るというのがトップチームの展開だ。
5月17?18日に行われた公式予選ではセッションごとにトップが入れ代わった。2回の予選結果のトップ40台による最終予選で、車番19・BMW Z4 GT3が8分18秒382をたたき出し、ポールポジションを確定。2番手はアウディR8 LMS ultraで、タイムは8分19秒700。3番手がメルセデスSLS AMG GT3で8分20秒050とタイムもそれぞれ紙一重だ。マンタイ・ポルシェ911GT3 Rは6番手に食い込んでいる。
日本勢ではGAZOO LFAが総合32位、SP8クラス1位で、日本勢としては唯一のトップ40に入り、その証であるブルーのライトを獲得した。ブルーの点滅ライトは予選上位40位までフロントガラスに装着が義務付けられ、前走車に速いマシンが接近していることを警告するものだ。
注目の日産GT-Rは、なんとチームGTアカデミーの車番123が総合47位、車番23の開発チームは総合50位に終わっている。もっともGT-RのSP8TクラスはLFAの属するSP8クラス以上に参加台数が少ないのである意味で余裕がある。
一方、スバルWRX-STIは9分16秒419を記録しSP3Tクラス3番手、総合55位と好位置に付ける。今年のマシンは軽量化やパワーアップを行ったことで、ラップタイムは昨年より14秒アップしている。2.0LターボのこのSP3Tクラスで1、2番手を占めたのがシロッコGT24だ。その1番手は総合48位、タイムは9分00秒774。WRX-STIと比べ0.5秒/kmの差をつけていることになる。
GAZOOレーシングの注目の的、86は165号車が総合135位、SP3クラス6位、166号車が総合113位、クラス3位につけている。このクラスは参加台数が多く強敵が揃っているため激戦が予想される。
決勝レースは5月19日15時(日本時間23時)に火蓋が切られた。