【 2011ニュル】 VOL.3 ニュル直前情報

いよいよ6月25?26日に開催されるニュルブルクリンク24時間レースが迫ってきた。白熱したル・マン24時間レースはアウディとプジョーの熱い戦いだったが、ニュルブルクリンク24時間レースは、ポルシェ、アウディ、BMW、メルセデス、フォルクスワーゲンというドイツ5大メーカーが総合優勝をかけて激突する。

ポルシェ911 GT3 Rハイブリッド:主催者側の意向でハイブリッドには大幅な制限が加えられ、4.0Lエンジンの出力は448HPに抑制。ハイブリッドのシステム出力は進化したにも関わらず昨年のラップタイムより低下している。フロンとアクスルの2基モーターはそれぞれ75kW(従来は60kW)で、数秒間は200psを発生するブースト装置として働く。

参加するドライバーの数は800人、参加台数は212台という空前の大レースだ。観客は、地元ドイツでは1週間の間、ニュルブルクリンクでキャンプをしながら観戦するのが常識で、観客数は20万人とF1グランプリをはるかに上まわる。またこのレースを観戦するために、イギリス、スペイン、遠くはロシアからなど、ヨーロッパの各地からクルマを運転して観戦に来る観客も多数いるので、まさに国際的なツーリング&GTカーの祭典なのだ。

今年のレースで注目すべきは、メルセデスベンツのAMGが開発したSLS AMG GT3が、ユーザーチームとして9台が参戦。これまでニュルでは存在感のなかったメルセデスがニュルでの制覇を狙っている。ポルシェは、ワークスチーム扱いのマンタイレーシングがメインで911 GT3Rが7台(その中の1台はハイブリッド)エントリーしている。アウディは、アウディR8 LMSがワークスチーム、ユーザーチームで合計6台参戦する。また、BMWワークスチームのM3 GTも絶対的な信頼性を武器に昨年通りの作戦を展開する。

マンタイ・ポルシェ:マンタイレーシングはイエロー/グリーンのデザインを纏った911GT3Rと91 GT3・RSRを投入。これらの車両は、ハイブリッドと同様にポルシェのワークスドライバーがステアリングを握る。

ファルケン・ポルシェ:。#44のポルシェ911GT3Rにもポルシェワークスドライバーのウォルフ・ヘンツラー、マルティン・ラジンガー、ピーター・ダンブレックおよびローランド・アッシュ(ドイツ)が乗る。  

フォルクスワーゲンはワークスカー、ゴルフGT24が3台体制で挑む。GTI登場から35周年を記念しての参戦で車番も「35」、「135」、「235」を使用する。これもVWの威信をかけての参戦といえる。これらのワークスチームはどこが優勝してもおかしくない拮抗したレベルでの戦いとなるだろう。

日本人では、過去にクラス優勝も果たした桂伸一が(6)アストン・ヴァンテージN24に乗る。これもアストンのワークスカーだ。地元販売店からの参戦となる日産GT-Rには山本泰吉と山内一典。山内氏はグランツーリスモの開発責任者で現地ではVIP待遇だ。

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2008年クラス優勝を果たした桂選手
アストンマーティン
アストンマーティン:桂選手が乗るアストンマーティン・ヴァンテージN24(V8)

トヨタのGAZOOレーシングからは(86)IS-Fに飯田章/高木実組、(87)LF-Aには飯田章/石浦宏明/大嶋和也と若手F3ドライバーも参加する。(88)LF-Aは木下隆之/アンドレ・ロッテラー/脇坂寿一の組み合わせとなる。チームサポート体制は従来どおり社員で編成され、社員のスキルアップを狙ったプロジェクトという意味合いが強い。

アウディA3、アウディTTS、オペル・アストラOPC、ゴルフGTIなどワークス系の強豪がそろう2.0Lターボクラスには(155)スバルWRX-STI tsが参戦し、吉田寿博/佐々木孝太/マルセル・エンゲルス/カルロ・ヴァンダムがステアリングを握る。STIが開発したWRX-STI tsは昨年より20秒近く速くなり、軽量化、低重心化、空力対策により戦闘力を高めているが、同クラスの他車も予想以上に熟成されているので接戦となりそうだ。STIの辰己監督は「雨が降ってくれればWRXが有利になるのだが・・・」と語っている。同じクラスのBMWミニクーパーには後藤比東至もステアリングを握る。

またファルケンカラーのフェアレディ370Zには田中哲也もドライバーとして参加。なお日本のタイヤメーカーとしては、ファルケンとトーヨータイヤがサポートするチームが出場する。韓国のタイヤメーカーのハンコックはフェラーリをサポートしている。

現在のニュルブルクリンク24時間レースは、スキルの低いドライバー、200psに達成せずラップタイムの遅いクルマはもはや参戦できず、GAZOOレーシングのレクサスCT200hも残念ながら参加受理されなかった。このことからもわかるように、このレースに参戦しているアマチュアチームといえども高いレベルを持っているのだ。

また今年はこれまでにないほど多数のワークスチームが総合優勝を狙っているため、24時間耐久レースとはいえ一瞬も気が抜けない、壮絶なサバイバルレースになることが予想される。

なおレースの動画ライブ中継は・・・http://adac.24h-rennen.de/Home.168.0.html?&L=1

STIのライブ映像・・・http://www.ustream.tv/channel/sti-nbr-challenge-2011

で楽しむことができる。

【エントリーリスト】

VOL.4 coming soon…..
VOL.3 ニュル直前情報
VOL.2 VLN第4戦 ADACカップ4時間レース結果
VOL.1 ニュルブルクリンク24時間レース情報

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