FIA フォーミュラEシーズン12の開幕戦が12月6日にブラジル・サンパウロで行なわれた。使われるGEN3evoマシンはラストシーズンとなる。現在のGen3evoの最大出力は350kWだが、次世代のGen4は倍近い600kWにパワーアップされる。馬力換算で816psとなり、常時AWDで車重は1トンプラスαという軽さだ。また空力使用も2タイプ用意され、ローダウンフォースとハイダウンフォースのエアロ仕様になるということだ。


シーズン12の今季から、グループ予選は12分間から10分間に短縮され、上位4台がデュエルスへ進出する。デュエルスでは350kWのAWDで走行というルールは前年と同様だ。
一方ドライバーの移籍も多く、前年から変更のなかったチームは、チャンピンオンのニッサン、ローランドとナトーのコンビ。それとマヒンドラのデ・フリースとモルタラ、ローラヤマハのディ・グラッシとマローニの3チームだけで、他はメンバーが入れ替わっている。さらにベテランのサム・バードがニッサンのリザーブになり、チャンピオン経験者のヴァンドーンはジャガーのリザーブという布陣になっている。
さて、Gen3evoラストシーズンの開幕戦は前年と同じくブラジルのサンパウロ。ここではポルシェのパスカル・ヴェアラインが2年連続ポールポジションを獲得しているコースだ。
グループAの予選ではジャガーのダ・コスタがトップ通過し、以下、シトロエンのヴェルニュー、マヒンドラのモルタラ、そしてポルシェのデニスがデュエルスに進出した。そしてグループBでは、ニッサンのナトーがトップ通過をし、以下ポルシェのヴェアライン、マヒンドラのデ・フリース、そしてクプラキロのティクタムが進出している。
チャンピオンのローランド、ベテランのエバンス、キャシディそして前年旋風を巻き起こした新人バーナードもグループ予選で敗退している。
デュエルスのQF(Quater Fainal)はモルタラ、デニス、ヴェアライン、ティクタムが勝ち上がり、上位4台中3台がポルシェパワートレインとなった。そしてFainalではデニスとヴェアラインがあたり、ベアラインが3年連続のポールポジションを獲得した。しかし、前年の最終戦からのペナルティがあり3グリッド降格が決まっており、ポールポジションの3ポイントは獲得するものの、4位からスタートとなった。
今季はアタックモードのルール変更
決勝レースはデニスがポールとなり、ティクタム、モルタラ、そしてヴェアラインという順で、チャンピオンのローランドは13位から、ナトーは7番手からのスタートとなった。
今季のルール変更にはアタックモードの使い方が変更され、ピットブーストがあるレースではレース中に1回の使用、ピットブーストのないレースではこれまでどおり2回の使用義務があるものの、時間を使い切らなくても良いルールに変更されている。
■アタックモード:レーシングラインを外れたところに設定されるアクティベーションゾーンを通過することで、通常の300kW出力に50kWを追加して走行することができるルール。
■ピットブースト:昨シーズンより導入されたルール。決勝レース中にピットレーンで600kWの超高速充電を30秒間行うことで約10%のエネルギーを追加。レースごとに適用の有無がある。

そのため、どのタイミングでアタックモードを使うのか注目したところ、前年とは大きく変更なく序盤7ラップ目付近から使い始めるチームが多かった。そしてアタックモードになると容易に先行車をパスできるため、前年同様、順位を追う意味がない展開となった。
レースは終盤がポイントになるが、30周のレースで23周目にモルタラとディ・グラッシが接触してSC
が導入された。このタイミングで2回目のアタックモードを使っているチームが多く、SC中に消化してしてしまう展開になった。のこり7周でアタックモードを使っていない上位ドライバーはアンドレッティの2台、デニスと新人のドルゴヴィッチだけだ。10位以下のチームは逆に全車未消化だったため、SC解除後は一斉にアタックモードのアクティベートゾーンへと飛び込んだ。

ところが、のこり4周となったところで、エバンスがコースアウトしマシンがストップしたためFCYとなったが、そのサインを見落としたのか、新人のクプラキロのマルティが前のダ・コスタとミュラーに激しく追突し、マシンは宙を舞う大クラッシュを引き起こしてしまった。
レースは赤旗中断となり、ドライバーに怪我はなく残り1ラップでレースが再開。そして終盤のアタックモードでトップにたったデニスがそのまま優勝をし、2位にローランド、3位、キャシディ、そして4位ヴェアライン、5位ドルゴビッチという順でチェッカーを受けた。

しかし、5位チェッカーの地元ドルゴビッチはFCY中にキャシディを追い抜きしており、5秒ペナルティが課せられ、結果12位となってしまった。


フォーミュラE シーズン12 Rd.1 ブラジル・サンパウロ 決勝リザルト
| 順位 | ドライバー | パワートレイン | チーム |
|---|---|---|---|
| 1位 | ジェイク・デニス | ポルシェ | アンドレッティ |
| 2位 | オリバー・ローランド | 日産 | 日産 |
| 3位 | ニック・キャシディ | DS | シトロエン |
| 4位 | パスカル・ヴェアライン | ポルシェ | タグホイヤーポルシェ |
| 5位 | ニコ・ミュラー | ポルシェ | タグホイヤーポルシェ |
| 6位 | マキシミリアン・ギュンター | DS | DSペンスキー |
| 7位 | ジョエル・エリクソン | ジャガー | エンヴィジョン |
| 8位 | セバスチャン・ブエミ | ジャガー | エンヴィジョン |
| 9位 | ニック・デ・フリース | マヒンドラ | マヒンドラ |
| 10位 | ゼイン・マローニ | ヤマハ | ローラ・ヤマハアプト |
次戦は2026年1月10日のメキシコのメキシコシティで第2戦が行われる。東京ラウンドは7月25日、26日だ。
シーズン12参戦マシンカラーリング


Porsche Formula E Team Porsche 99X Electric

Citroen Racing e-CX

Andretti Formula E Porsche
99X Electric

99X Electric

CUPRA KIRO
Porsche 99X Electric WCG3

Lola Yamaha ABT Formula E Team Lola-Yamaha T001

Jaguar I-TYPE 7

Porsche Formula E Team
Porsche 99X Electric

Nissan Formula E Team
Nissan e-4ORCE 05
2026カレンダー/Driver
| 日時 | ラウンド | 都市名 | 開催国 |
|---|---|---|---|
| 12月6日 | 第1戦 | サンパウロ | ブラジル |
| 1月10 | 第2戦 | メキシコシティ | メキシコ |
| 1月31日 | 第3戦 | マイアミ | アメリカ |
| 2月13日 | 第4戦 | ジェッダ | サウジアラビア |
| 2月14日 | 第5戦 | ジェッダ | サウジアラビア |
| 3月21日 | 第6戦 | マドリード | スペイン |
| 5月2日 | 第7戦 | ベルリン | ドイツ |
| 5月3日 | 第8戦 | ベルリン | ドイツ |
| 5月16日 | 第9戦 | モナコ | モナコ |
| 5月17日 | 第10戦 | モナコ | モナコ |
| 6月20日 | 第11戦 | 三亜 | 中国 |
| 7月4日 | 第12戦 | 上海 | 中国 |
| 7月5日 | 第13戦 | 上海 | 中国 |
| 7月25日 | 第14戦 | 東京 | 日本 |
| 7月26日 | 第15戦 | 東京 | 日本 |
| 8月15日 | 第16戦 | ロンドン | イギリス |
| 8月16日 | 第17戦 | ロンドン | イギリス |
PU&Team_Driver
| 1 ポルシェ | アンドレッティ | ジェイク・デニス | フェリペ・ドルゴビッチ |
| 2 DS | DSペンスキー | マキシミリアン・ギュンター | テイラー・バーナード |
| 3 ジャガー | エンヴィジョン | セバスチャン・ブエミ | ジョエル・エリクソン |
| 4 ジャガー | ジャガー | ミッチ・エバンス | アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ |
| 5 ポルシェ | クプラキロ | ダン・ティクトム | ジョセップ・マリア・マルティ |
| 6 ヤマハ | ローラ・ヤマハアプト | ルーカスディ・グラッシ | ゼイン・マローニ |
| 7 マヒンドラ | マヒンドラ | ニック・デ・フリース | エドアルド・モルタラ |
| 8 DS | シトロエン | ニック・キャシディ | ジャン・エリック・ヴェルニュー |
| 9 ポルシェ | タグホイヤーポルシェ | パスカル・ヴェアライン | ニコ・ミュラー |
| 10 ニッサン | ニッサン | オリバー・ローランド | ノーマン・ナト |













