英国ロンドン、2025年11月5日(水)フォーミュラEとFIAは、全く新しいGEN4レーシングカーを発表した。このマシンは、ABB FIAフォーミュラE世界選手権史上最速のフォーミュラEカーとして、現代のパイオニアと次世代の才能のために設計され、革新性、速度、持続可能性における新たな世界基準を確立していくことになる。
2026/27 ABB FIA フォーミュラE世界選手権シーズン13にデビュー予定のGEN4は、600kW(815ps)の出力を実現し、アクティブ全輪駆動(AWD)を採用することで、レースの概念を再定義することになる。アクティブ全輪駆動やアクティブデファレンシャルをはじめ、GEN4のあらゆる機能は電気自動車が提供する技術を体現し、メーカーにとって、このマシンは将来の車両開発においてこれまで以上に実用的な参考モデルに位置付けているのだ。

GEN4は、その構造において100%リサイクル可能な素材が使用され、環境責任の新たな基準を確立している。先駆的なバッテリーシステムから次世代タイヤ、革新的なボディワークに至るまで、GEN4のサプライチェーンにおける全ての部品は、倫理的な調達、リサイクルの可能性、環境負荷低減を基準に選定されている。これらの革新により、GEN4は単なる速度と性能のためのマシンではなく、スポーツ界およびその先における持続可能性の先駆者として構築されていくのだ。
ちなみにタイヤメーカーは日本のブリヂストンのワンメイクとなり、既にリサイクル素材を多用したレースタイヤを2025年11月16日に開催されているスーパー耐久ST-Qクラスに供給している。ブリヂストンの基盤技術であるENLITEN(エンライトン)をベースに軽量化し、カーボンブラックなど複数のリサイクル素材から製造しているこのタイヤは、ソーラーカーレース用タイヤでは既に65%のリサイクル素材で生産されている。そうした知見に基づき、フォーミュラE用のタイヤ開発が進められているのだ。

新型GEN4レーシングカーの主な技術的強化点
デザイン的特徴として、GEN4は2つの異なる空力構成を備え、予選向けに最適化された高ダウンフォース仕様と、レース条件に特化した低ダウンフォース仕様がある。
パフォーマンス&テクノロジーのハイライトとして、レース時のピーク出力は450kW、強力なオーバーテイクを実現する600kWのアタックモード、強化された700kWの回生ブレーキ、そして最大55kWhのレース用エネルギーにより、パフォーマンスとテクノロジーにおいて劇的な向上を実現している。

そしてサステナビリティな革新において、GEN4の構造には100%リサイクル可能な素材(少なくとも20%のリサイクル素材含有)を採用。ABB FIAフォーミュラE世界選手権が世界で最もサステナブルなモータースポーツとしてのリーダーシップを推進する。
ABB FIAフォーミュラE世界選手権の登録GEN4メーカーであるポルシェ、日産、ステランティス、ジャガー、ローラ・カーズの手により、本格的なテスト段階に入り、各社は自社技術を駆使し、パワートレインとエネルギー管理の専門知識を転用して車両性能を限界まで引き上げる研究が行なわれている。
2026/27シーズン13開幕に向けた調整作業を通じ、輸送分野の知見をモータースポーツへ昇華させ、自動車メーカーにとって最も意義深い競技としての地位を確固たるものとするのだ。

フォーミュラE CEO ジェフ・ドッズ:
「GEN4は単なるレーシングカーを超えた存在です。電気自動車レースにおける10年以上にわたる進歩、革新、そして野心を体現しています。FIAとの共同開発により、これまでで最も先進的かつ要求が厳しく、持続可能なマシンとして誕生し、性能と環境責任の新たな可能性を定義し直しました。GEN4により、フォーミュラEは世界で最も先進的なスポーツであり、真のレーシングパイオニアとしての地位を強化します。」
FIAシニアサーキットスポーツディレクター、マレク・ナワレツキ:
「革新的なGEN4フォーミュラEシングルシーターを発表できることを大変誇りに思います。このマシンはモータースポーツにおける電気技術の能力の限界を再び押し上げるとともに、2014年以降のABB FIAフォーミュラE世界選手権の飛躍的な進化を如実に物語っています。FIAとフォーミュラEが共同で提供するこの大胆な新技術フレームワークは、シーズン13でのレース開始に向け、OEM各社がこれまで以上に自社の道路関連技術を組み込み、披露することを可能にします。これはフォーミュラEにとって輝かしい新時代の幕開けであり、間違いなくこれまでで最もエキサイティングで刺激的なものとなるでしょう。」
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