【フォーミュラE シーズン9】第6戦 サンパウロでジャガー勢が表彰台を独占

ABB FIAフォーミュラEの第6戦がブラジル・サンパウロで2023年3月25日に開催された。コース幅が広く、長いストレートとヘアピンの連続で、典型的なストップ&ゴーのレイアウトは接触も多く、荒れたレース展開となったが、レースを制したのはジャガーパワートレインの表彰台独占という結果になった。

グループ予選A組ではヴァンドーン(DSペンスキー)、キャシディ(エンビジョン/ジャガー)、モルタラ(マセラティ/DS)、ヒューズ(マクラーレン/日産)がデュエルスに勝ち上がる。グループB組はバード(ジャガー)、ギュンター(マセラティ/DS)、ダ・コスタ(ポルシェ)、エバンス(ジャガー)が進出。

そして開幕戦で右手の骨折をして欠場していたアプトチームのロビン・フラインスがこのレースから復帰した。しかし本調子とまではいかず、予選は20位からのスタートとなった。またディ・グラッシは予選を走れず最後尾からのスタート、ロッテラーも調子を落としたまま21番手からのスタートとなった。

予選を終えたロビン・フラインス

デュエルスのQFではキャシディとモルタラ戦はモルタラが勝ち上がり、同じマセラティのギュンターはダ・コスタに敗退した。マセラティは前レースが走れず、メカニカルトラブルで、ほぼ1ヶ月おいての参戦であり、制御の見直しが行われていた様子で速さが出てきている。

そしてデュエルスSFでは、そのモルタラとヴァンドーンがあたり、ヴァンドーンが勝利。ダ・コスタVSエバンスはダ・コスタがデュエルスのファイナルに進んだ。

デュエルスの決勝は前年度のシリーズチャンピオンのヴァンドーンがダ・コスタを退け、今季初ポールを獲得した。

ポールポジションを獲得したヴァンドーン(DSペンスキー)

決勝レースは1周2.933kmの31周で、4分間のアタックモードを2回に分けて使うことが義務付けられている。オープニングラップでは早くも接触するマシンが続出し、ナト、ロッテラーがクラッシュしてリタイヤ。またモルタラも止まれきれずにショートカットしてセーフかと思ったが、そのままピットに入りリタイヤしていた。再びマシントラブルなのかもしれない。

クラッシュした日産のノーマン・ナト

サンパウロのコースは道幅が広く、またストップ&ゴーのレイアウトということもあり、アタックモードも絡むと順位把握ができないほど、目まぐるしく順位が入れ替わる。

3周目を終えて順位はヴァンドーン、ダ・コスタ、エバンス、そしてキャシディが5位から4位に浮上、その後ろはヴェルニューが7位スタートから5位に浮上している。下位グループでは最後尾スタートのディ・グラッシが15位にまで順位を上げていた。

その後5周目に入るとアタックモードに入るマシンが増え、順位がどんどん入れ替わる。混乱する順位の中、日産のサッシャが8ラップ目にクラッシュしリタイヤとなった。このクラッシュでSCが導入され、その後周回数がプラスされる展開となった。

セーフティーカーがヴァンドーン、エバンス、キャシディを先導する

12周目にレースが再開され、4位ダ・コスタがキャシディに仕掛けて3位浮上。エバンスにも仕掛けて2位になる。また4位キャシディもエバンスをかわし3位に。14周目はそのキャシディがトップを奪いつつ、アタックモードに入り、その瞬間4位へ後退するという凄まじい順位争いが続いた。

20周を終えたところでトップはキャシディ、つづいてエバンス、ダ・コスタ、ヴァンドーン、ヴェルニューと続くものの、ダ・コスタは25周目にオーバーランで順位を7番手までに落としてしまう。そしてアディショナルラップは4周で35ラップのレースとなった。

レース終盤はジャガーパワートレインがトップ3で競い、キャシディ、エバンス、バードで、直後にバンドーンが続いた。パワートレインで見れば、トップ3がジャガーで続いてDSが2台、ポルシェが2台、マクラーレン日産が2台という構図になっている。

リードするニック・キャシディ

そしてレースの大詰め32周目にエバンスがトップのキャシディを交わし、ファイナルラップまでこの2台はせめぎ合うが、結局エバンスが抑え切り、2位キャシディ、3位バードとジャガー勢が表彰台を独占した。

エバンスは3番手スタートで、2位のキャシディは5番手からのスタート。そして3位に入ったバードはなんと10番手からのスタートであり、決勝レースでのエネルギーマネージメントが大きく影響していることがわかるレースだった。

ジャガー勢が表彰台を独占した

今回のレースを終えてのシリーズランキング
1位 パスカル・ヴェアライン(ポルシェ)86点
2位 ジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ/ポルシェ)62点
3位 ニック・キャシディ(エンビジョン/ジャガー)61点
4位 ジャン・エリック・ヴェルニュー(DSペンスイキー)60点
5位 アントニオ・フェニックス・ダ・コスタ(ポルシェ)58年
6位 サム・バード(ジャガー)44点

日産のノーマン・ナトは14位で11点、サッシャ・フェネストラズは18位で7点。また日産パワートレインを使用するマクラーレンチームはレネ・ラストが8位で40点、ジェイク・ヒューズが10位で32点となっている。

次戦は舞台が欧州に戻り、ドイツ・ベルリンで4月22日、23日に2レースの連戦が行われる。シリーズ全16戦も折り返しにかかる第7戦、第8戦であり、日産の奮起に期待したい。

COTY
ページのトップに戻る