【フォーミュラE】シーズン8 第13、14戦ロンドンはデニスとディ・グラッシが優勝!チャンピンオンシップの行方は!?

FIA ABBフォーミュラE選手権シーズン8も終盤。残り4戦のうちロンドンで2連戦が行なわれた。

展示場をコースに使うユニークなレイアウトはシーズン7と同様だが、一部コースレイアウトを変更して開催。展示場の1階と2階を使い、屋内と屋外を走るという変則的なコースだ。

シーズン8第13戦、第14戦は展示場を使った特設コースで開催

今季、ここまでのシリーズチャンピオンシップはストフェル・バンドーンが(メルセデスEQ)が155点でポイントリーダー。つづくエドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチューリ)が144点で2位、以下ミッチ・エバンス(ジャガーTCS)、ジャン・エリック・ヴェルニュー(DSテチータ)、ロビン・フラインス(エンビジョン)、アントニオ・フェニックス・ダ・コスタ(ロキット・ベンチューリ)と続き、前年チャンピオンを獲得したニック・デ・フリース(メルセデスEQ)は8位という順になっている。

予選

第13戦のグループ予選A組はチャンピオンシップ奇数順位のドライバーで競い、上位4位までがデュエルスに進出する。A組はバンドーン、セッテカマラ、キャシディ、ディ・グラッシが進出となったが、ディ・グラッシが走路妨害のペナルティで全タイムを抹消。予選最後尾からのスタートとなった。また繰り上げで日産のギュンターが今季初のデュエルスに進出した。

全タイム抹消となるペナルティに驚きを隠せなルーカス・ディ・グラッシ

予選グループBではジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ)、デ・フリース、オリバー・アスキュー(アバランチ・アンドレッティ)、アンドレ・ロッテラー(TAGホイヤーポルシェ)がデュエルスに進出。中でもアバランチ・アンドレッティのデニス、アスキューの2人が好調だ。デニスは英国ロンドンが地元のドライバーで、前年のフォーミュラEロンドン大会で初優勝している縁起の良い場所だ。ちなみにアンドレッティ・アバランチはBMWのパワートレインを使っている。

ランキング争いをするモルタラ、ダ・コスタがデュエルスに進出できない結果になり、バンドーン有利となって、デュエルスのクォーター・ファイナルが始まった。

デュエルスでは出力が250kWで競い、レース本番の220kWよりも大出力のため、セットアップを本番に合わせ、デュエルスでの順位を重視しないというやり方もある。一方、短い時間ながらセットアップを変更するチームもあり、結果はやってみないとわからないというのが毎レースの展開だ。

最初のデュエルスQFではロッテラーVSバンドーンではバンドーンが勝ち上がり、アスキューVSセッテカマラはセッテカマラが勝ち上がった。そして、キャシディVSデ・フリースはデ・フリースが、最後のギュンターVS デニスでは、デニスが勝ち上がり、いずれも後攻めのドライバーが勝ち上がった。

セミファイナルはバンドーンVSセッテカマラでバンドーン、デ・フリースVSデニスはデニスが勝ち上がり、決勝はバンドーンVSデニスとなった。パワートレイン対決はメルセデスVS BMWということになる。結果、好調のデニスがポールポジションを獲得した。

決勝

決勝はチャンピオンシップ上位のメンバーが下位に沈み、バンドーンが一気に優位になる予選結果になった。最上位でもシーズン3位のモルタラが9番手で、3位のエバンス14番手、4位のヴェルニュー13番手、以下フラインス10番手、ダ・コスタ11番手からのスタートとなりバンドーン有利の予選順位ではじまった。

ホールショットはデニスが抑え、トップグループに混乱はなかったが、中盤グループでモルタラ、サム・バード(ジャガーTCS)がクラッシュをし、モルタラはフロントノーズコーン交換でピットイン。この時点でこのレースでの高得点から遠ざかった。

レースはデニスが引っ張り、バンドーンが2番手で追いかけるも、バンドーンは前を走るデニスがチャンピオンシップに影響しないためか、無理な走りで仕掛けない。またアタックモードも今回は6分間を2回の消化がマストとなったが、順位の混乱もなく落ち着いたレースとなった。

残り20分付近になると膠着状態となり、デニス、バンドーン、デ・フリースという順で落ち着く。メルセデスの2台が2、3位で、またチャンピオンシップに関係してこないセッテカマラ、アスキュー、キャシディ、ギュンター、フラインス、ロッテラーが追いかけているため、混乱も起こらない様子だ。

しかし終盤になるとエバンスが14位から徐々に順位を上げ、チャピオンシップに絡むポイント圏内に浮上。結局最終ラップで6位にまで順位を上げる速さを見せた。

アンドレッティのジェイク・デニスは地元出身。ポールツーフィニッシュを決めた

レースはデニスがポールツーフィニッシュで、2位バンドーン、3位デ・フリース、4位キャシディ、5位アスキュー、6位エバンスという順位で日産ブエミは11位フィニッシュだった。が、3位フィニッシュのデ・フリースがキャシディへのブロックがペナルティとなり、5秒ブラスされて6位へと正式結果が変更。変わって3位キャシディとなり、またエバンスも5位に繰り上がりバンドーンと24点差の2番手に浮上した。

翌日の第14戦では手堅いバンドーンがどこまでポイントを獲得できるかに注目だ。

今季初優勝のジェイク・デニス。喜びが爆発した

第14戦

迎えたグループ予選A組は、前日優勝のジェイク・デニスが好調で、Aグループトップ、ついで、ダ・コスタ、デ・フリース、アスキューと続き、BMWパワートレインのアバランチ・アンドレッティが好調を維持。

そしてグループBは前日全タイムを抹消された怒りのルーカス・ディ・グラッシがトップ通過し、さらに超伏兵ドラゴン・ペンスキーのアントニオ・ジョビナッチが2番手で通過した。ちなみに、このペンスキーはアメリカのスタートアップ企業のパワートレインを使用。3番手にキャシディ、4番手に久しぶりに日産ブエミが入りデュエルスに進んだ。

グループ予選ではチャピオンシップを争うベルニュー、エバンスが脱落し、なんとバンドーンも7列目からのスタート。さらにモルタラも下位に沈むという混乱が起きていた。

前日の鬱憤を晴らすように予選、決勝と快走したルーカス・ディ・グラッシ

そして迎えたデュエルスでは、クォーターファイナルで、デニス、ダ・コスタ、ジョビナッチ、ディ・グラッシが勝ち上がり、セミファイナルでデニスVSディ・グラッシという戦いになった。そしてなんとポールポジションは前日から好調のジェイク・デニスが連続ポールを獲得する速さを見せた。

Rd14決勝

決勝ではデニスがホールショットをとり、ディ・グラッシ、ジョビナッチという順で始まり、チャンピオンシップを争うエバンスは11位、バンドーンが12位、モルタラ16位というポジションでオープニングラップを終えている。

序盤、ベルニューがマシントラブルでピットに入り、チャンピオンシップでも4位につけていたが痛恨の離脱となった。この第14戦ではアタックモードが前日は6分間2回がマストだったが、今回は4分間を3回使うルールに変更。そのため、早めに使うドライバーもおり、常にコース上では250kWに出力アップしたマシンが走行するため、前日とは打って変わって、激しい順位の入れ替わりが起きていた。

今季初のデュエルス進出したドラゴン・ペンスキーはなんとオーバーパワー規定違反となり、ジョビナッチには、ドライブスルーペナルティが課せられ優勝争いから脱落した。またもう一台の好調アバランチ・アンドレティのアスキューもトラブルでピットへ。さらに日産ギュンターもピットインするなど、ロンドンでの2戦目はサバイバルレースの様相で序盤を終えた。

中盤に入るとトップはデニスとディ・グラッシ、デ・フリース、ダ・コスタで競い、チャンピオンシップを争うエバンスが5位に浮上、バンドーンも7位に浮上。そしてモルタラも10位のポイント圏内まで浮上してきた。

トップ争いのデニスとディ・グラッシは3回のアタックモードを使うたびに順位を入れ替えるが、最後の3回目になるとディ・グラッシはアタックモード中のデニスの追撃に追いつかれない速さを見せた。

途中SCが投入されていたためレースには3分間のアディショナルタイムが加算され、序盤から飛ばしていたディ・グラッシ、デニスのバッテリー残量が際どかったものの、最終ラップを残り2%でラップし、残量0.3%でフィニッシュするマネージメント力を発揮していた。

第14戦完勝したルーカス・ディ・グラッシ。通算13勝目

チャンピオンシップ

レース結果は、優勝は前日の鬱憤を晴らすかのように完勝したルーカス・ディ・グラッシ(ロキット・ベンチューリ)、2位に前日優勝のジェイク・デニス、3位ニック・デ・フリース、4位には、なんとバンドーンが入り、5位ダ・コスタ、6位ブエミ、という順で、エバンスもラスト2周前まで4番手につけたもののマシントラブルでリタイヤしている。

結局シリーズポイントでは、チャンピンオンシップを争うドライバーが全員ノーポイントになり、バンドーンだけがポイントを獲得という結果になった。

その結果、チャンピオンシップではバンドーン185点、エバンス149点、モルタラ144点、ベルニュー129点となり、1レース最大稼げるポイントが29点で残り2戦、合計58点を加算して逆転できるのはベルニューまでとなった。しかもバンドーンがノーポイントという条件付きになるため、チャンピオンシップでは大きなアドバンテージをバンドーンが獲得したことになる。

メルセデスEQが連覇するのか?最終戦に注目

次戦はいよいよラスト2レースが韓国・ソウルで初開催される。8月13日(土)、14日(日)Gen2マシン最後のレースをお見逃しなく。

COTY
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