ABB FIAフォーミュラーE選手権シーズン8の第8戦。5月15日メルセデスEQのニック・デ・フリースは、ロキットヴェンチューリのエドアルド・モルタラとメルセデスEQのチームメイト、ストフェル・ヴァンドーンを抑え優勝を飾った。
デ・フリースはテンペルホーフ空港サーキットでシーズン7でも優勝しており、モルタラに2.5秒のリードをつけて優勝した。ヴァンドーンは、メルセデスEQのシルバーアロー02が2台表彰台に上り、トップ3にメルセデスEQパワートレインが3台入る結果となった。
また、ルーカス・ディ・グラッシ(ロキットヴェンチューリ)は4位でゴールし、トップ4に4台のメルセデスパワートレイン車が入るという圧倒的な強さを見せた。
ロビン・フラインス(エンビジョン)は、フラインスとアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(DSテチータ)の激しいバトルの末に5位、6位となった。
オリバー・ローランド(マヒンドラ・レーシング)は、序盤の10位から7位まで順位を上げ、一時は5位まで上昇。タグ・ホイヤー ポルシェのアンドレ・ロッテラーは8位でチェッカーフラッグを受けた。ジャン・エリック・ベルニューは9位で、同じくタイトルに挑戦しているミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)は10位でポイントを獲得した。
ABB FIAフォーミュラE世界選手権は8戦を終え、シーズン中盤を迎えている。ドライバーズランキングは111ポイントでヴァンドーンがトップ、モルタラが99ポイントで2位、さらに4ポイント差でベルニューが3位という順。
チームランキングでは、メルセデスEQが176ポイントでトップ、ロキットヴェンチューリが148ポイントで2位につけ、上位2チームがメルセデスパワートレインということになる。3位は137点でDSテチータ、4位111点ジャガーTCS、5位110点タグホイヤー・ポルシェ、6位97点エンビジョンとなっている。
日産e.Damsは今季不調で、8戦を終えたところで12点の9位と沈んでいる。またZFパワートレインを搭載するマヒンドラも不調で同じく12点の8位となっている。
全16戦で争われるフォーミュラーEシーズン8の第9戦は、6月4日に開催されるインドネシア・ジャカルタEグランプリで、ABB FIAフォーミュラE世界選手権が初めてインドネシアでのレース開催になる。また第10戦に予定していたカナダ・バンクーバーはキャンセルになり、代わりにモロッコ・マラケシュでの開催となった。
そして来季から採用される第3世代のフォーミュラEマシンでは、名門マクラーレンが参戦してくる発表があった。今季でFEを退くメルセデスEQだが、チームを買収し今年の年末には新たなチームを設立し、チーム代表のイアン・ジェームスも継続してチームを率いると発表した。ドライバーに関しては未定だ。
MERCEDES-EQ ニック・デ・フリースのコメント
「過去3戦は難しいレースが続きましたが、正直なところ、戻ってこられたことがとてもうれしいです。もちろん、エド(モルタラ)がずっと強かったので、クリーンな状態を保たなければなりませんでしたが、チームがうまくコントロールしてくれて、僕もそれを実行しました。とてもうれしい」
ROKiT VENTUR エドアルド・モルタラのコメント
「レースはとても良かったし、我々は表彰台に立つことができた。でも、ニックとメルセデスは僕らよりペースが良かった。僕は彼について行こうとしたけど、最終的には彼の方が断然速かった。2回のポールポジション、昨日の優勝、そして今日の2位と、僕らにとっては素晴らしい週末になった。また、メルセデスが正しいことをやっているということだ。メルセデスのパワートレインを搭載したクルマに乗れるのはとても幸せなことだ」