【フォーミュラE】シーズン8第6戦モナコ メルセデスのヴァンドーンが今季初優勝

FIA ABBフォーミュラEシーズン8第6戦モナコグランプリが2022年4月30日に行なわれ、メルセデスEQチームのストフェル・ヴァンドーンが今季初優勝し、ドライバーズランキングでもトップに躍り出た。

スタート直後は混戦もなくクリーンにレースが始まった

モナコのe-Prixは、F-1で使用されるコースと全く同じコースで開催された。シーズン7ではヌーベルシケインのレイアウトが異なり、FE用にタイトなコースに変更されていたが、今季のシーズン8ではそのレイアウトを廃止し、全く同じレイアウトになって開催された。ちなみにポールポジションはジャガーTCSのミッチ・エヴァンスで22台中、唯一1分29秒台をマーク、1分29秒839でトップに立った。

メルセデスEQフォーミュラEチームのストフェル・ヴァンドーンがモンテカルロの街を巧みなドライブで制し、ABB FIAフォーミュラEドライバーズ選手権をリードする。このベルギー人ドライバーは、ポールシッターのミッチ・エヴァンス(Jaguar TCS Racing)を抑えてトップに立ち、DS TECHEETAHのジャン-エリック・ヴェルニューは、モータースポーツの象徴的な本拠地に集まった1万5000人以上のファンの前で3位入賞を果たした。

1万5000人の観客を集めてF1と同じコースで開催

レース中盤、フルコースイエローとセーフティカーが導入され、レース戦略が大きく変わったが、エネルギーマネージメントを駆使してエヴァンスに競り勝った。

16周目にトップのパスカル・ヴェアライン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)がトラブルでリタイアした後、ヴァンドーンは上位に食い込んだ。トップに立ったヴァンドーンは、2回のFCYからのリスタートを成功させ、最初にチェッカーフラッグを受けた。

今季初優勝のヴァンドーン、2位エヴァンス、3位ヴェルニュー

エバンスはポールポジションを獲得した時のペースを活かすことはできなかったが、18ポイントを獲得して2位となり、ローマでの2連勝に続くジャガー・ドライバーの快進撃が続いている。

3位にはヴェルニューが入り、レース終盤にはエンビジョン・レーシングのロビン・フラインスが4位でフィニッシュ。これでヴェルニューは3度の表彰台を獲得し、今シーズン全レースでポイントを獲得した唯一のドライバーとなった。

また、ルーカス・ディ・グラッシは6位となり、ROKiT Venturi Racingのホームレースで健闘を見せた。一方、開幕ダッシュに成功したチームメイトのモルタラはトラブルでリタイヤしている。

7位にはニック・キャシディ(Envision Racing)が入り、セバスチャン・ブエミ(Nissan e.dams)、ジェイク・デニス(Avalanche Andretti)、王者ニックス・デ・フリースがトップ10フィニッシュしている。

この結果、ドライバーズランキングではヴァンドーンが81点、6ポイント差でトップに立ち、チームランキングではメルセデスEQがDSテチーターに15ポイントの差をつけている。2位はヴェルニューで75点、3位エヴァンス72点、4位フラインス71点、5位モルタラ49点、6位ロッテラー43点となっている。

予選

今季から新しいフォーマットで始まった予選では、グループ予選でメルセデスEQ、ポルシェ、DSテチータがそれぞれ2台のマシンをDUEL(トーナメント戦)へと進出させ、それにジャガー、エンビジョンがそれぞれ1台が突破している。

ポールポジションは前のローマで2連勝した絶好調のジャガー・ミッチ・エヴァンスが獲得

トーナメント戦となるデュエルでは、250kWに出力を上げ1ラップのタイムアタックを行ない、勝ち進む方式で、初戦でポルシェのロッテラーVSヴェアラインの戦いが不運?にも実現した。結果はヴェアラインが勝ち、QF(準決勝)にコマを進めた。

ファイナル進出はそのヴェアラインとジャガーのエヴァンスの戦いで、エヴァンスが唯一の1分29秒台をファイナル予選で叩き出す速さを見せてポールポジションを獲得した。

期待される日産e.damsのセバスチャン・ブエミは予選を最下位で通過、マキシミリアン・ギュンターは11位。決勝をブエミは8位、ギュンターは17位フィニッシュで今ひとつ波に乗れない日産勢だった。また日本に馴染み深いロッテラーはオリバー・ローランドのスピンに巻き込まれクラッシュ、リタイヤ。今季マヒンドラに移籍したローランドもそのままリタイヤしている。

STOFFEL VANDOORNE(MERCEDES-EQ FORMULA E TEAM、#5)のコメント

「モナコは、ドライバーとして勝つにはいつも特別なレースなんだ。昨年は苦戦を強いられたが、今年は何とか逆転できた。目標は予選で上位に食い込むことだったが、レースはまさにその通りになった。強いマシンを作ってくれたチームのみんなに感謝。強力なマシンを与えてくれたチームに感謝。今シーズンは決して楽なスタートではなかったが、僕らの一貫性を示すことができた。とてもうれしいよ」

「ポールポジションは何度か獲得しているが、なかなか勝利に結びつかない。今週末は予選でポールポジションを取らず、代わりに勝利を手にすることにした」

ABB FIAフォーミュラE世界選手権の次戦は、5月14日と15日にベルリンで開催される第7戦と第8戦のダブルヘッダーEグランプリで、シーズン8の中盤戦となる。

COTY
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