ジャガーがエンビジョン・レーシングにパワートレイン技術を供給

フォーミュラEに参戦するジャガーとエンビジョン・レーシングは、2022/23 ABB FIA フォーミュラE世界選手権(シーズン9)に向けた、新たな複数年のサプライヤー契約を締結したことを2022年2月8日発表した。

左)ジャガーのジェームス・バークレイと右)エンビジョンのシルヴァン・フィリッピ

エンビジョン・ヴァージンレーシングは今季(シーズン8)まで、アウディのパワートレインを使ったサテライトチームとして選手権を戦ってきたが、アウディのフォーミュラE撤退によりシーズン9からジャガーレーシングのパワーユニットを搭載することになった。

ジャガーは「REIMAGINE」戦略の一環として2025年よりピュアEV(フルバッテリー電気自動車)のラグジュアリー・ブランドとして生まれ変わる。そしてジャガーは、長年にわたるフォーミュラEの技術パートナーであるウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリングを通じて、エンビジョン・レーシングに新しい高電圧電気モーター、インバーター、トランスミッション、冷却システム、ケーシング、サスペンションを供給する予定だ。

ジャガー・ランドローバーの「REIMAGINE」戦略と、エンビジョン・レーシングの「Race Against Climate Change(気候変動と戦うレース)」プログラムを通じて、両社は持続可能な未来を目指す確固たるコミットメントを共有している。

世界的な気候サミットへの関わりを通じてスポーツ界の持続可能性をリードし、スポーツの新しい基準を明確に打ち立てるというエンビジョン・レーシングの「COP26」キャンペーンを受けての発表というわけだ。

エンビジョン・レーシングは、刺激的でありながら教育的で、そしてエキサイティングな方法で気候変動問題を提起し、フォーミュラEやモータースポーツがクリーンなモビリティへの移行に大きな影響を与えることを示している、としている。

ちなみに、シーズン8の今シーズンのドライバーはジャガーがミッチ・エヴァンスとサム・バード、エンビジョンがロビン・フラインスと日本のスーパーGTで活躍したニック・キャシディとなっている。

ジャガーTCS レーシングについて

ジャガーは2016年10月にモータースポーツ界に復帰し、電気自動車によるレーシング・シリーズ、ABB FIA フォーミュラE選手権に参戦。ABB FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン7では、チーム・ランキングで2位を獲得している。

フォーミュラEは、2025年からピュア EV のラグジュアリー・ブランドとなることを目指すジャガーの現実世界におけるテストベッドに位置付けている。ジャガーTCSレーシング(Tata Consultancy Services)は、ジャガー・ランドローバーの「REIMAGINE」戦略をサポートするため、新しいサステナブル(持続可能)なテクノロジーを提供し、品質における新しい基準を作り出すための挑戦だ。

ジャガーTCSレーシングの目標は、「Reimagine Racing(レースの再構築)」であり、テスト、開発、学習、協力、共有を行い、ジャガー・ランドローバー全体へ知見を共有することで、将来の市販車開発に役立てるとしている。特に、フォーミュラEで培った知見と技術の移転は、ジャガーブランドの再構築に役立ち、フォーミュラE Gen3時代へのコミットメントと合致している。

ジャガーTCSレーシングは、モーター、トランスミッション、インバーター、リア・サスペンションを含むパワートレインを独自設計している。コストを抑えるため、カーボン・ファイバー・シャシーとバッテリーは、全11チーム共通で、これにより、効率的で軽量なパワートレインの開発に焦点を絞ることができ、未来のジャガー・ランドローバーのフルバッテリー電気自動車(BEV)のパフォーマンスと航続距離の向上につながるとしている。

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