【フォーミュラE】シーズン8第3戦メキシコシティ ポルシェ初勝利をワンツーフィニッシュで飾る

フォーミュラEシーズン8の第3戦、メキシコ・メキシコシティが行なわれた。開幕戦ではメルセデスEQチームの強さが目立ったが、このメキシコでもその強さがあるのか興味深った。しかし、蓋を開けてみればポルシェのワンツーフィニッシュで、フォーミュラEでようやくポルシェの初勝利となったレースとなった。

メキシコと過去の相性抜群のパスカル・ヴェアラインが優勝した

今シーズンから予選フォーマットが変更され、ランキング順に奇数順位をA組、偶数順位をB組の2グループにわけるグループ予選から始まる。予選のタイムアタックは12分間。この時のパワーは220kWだ。そして上位8台、つまり各グループ上位4台が次のトーナメント予選へと駒を進めるが、フォーミュラEでは、そのトーナメント方式を「DUELSデュエルス」と呼んでいる。文字通り一騎打ちを意味する言葉で、1対1の1ラップ勝負をし、勝った方が準決勝(QF)に進むことができるという方式だ。

昨シーズンのメキシコ・プエブラではロッテラーがポールポジションを獲得しているが、今回もFP1、FP2ともロッテラーがトップタイムをマークしていた。

メキシコとは相性がいい?ロッテラーは決勝2位にはいった

今回のエルマノ・ロドリゲスサーキットは、パーマネントサーキットをメインに一部スタジアムコース、オーバルコースを組み合わせた特別コースでの開催となっている。

予選からポルシェの速さが光る

グループ予選A組はやはりトップでロッテラー(ポルシェ)が通過し、以下モルタラ(ヴェンチューリ・メルセデスPU)、ヴェルニュー(DS)、ヴァンドーン(MBEQ)がデュエルへ。なんと日産の2台はグループ予選敗退となった。

そしてB組予選はヴェアライン(ポルシェ)がトップ通過で、ダ・コスタ(DS)、フラインス(エンビジョン・アウディPU)、デ・フリース(MBEQ)の4台となった。B組ではジャガーのミッチ・エバンス、サム・バードがグループ予選敗退を喫している。

デュエルスのファイナルはモルタラとヴェアラインの一騎打ちで、今季好調のメルセデスのサテライトVSポルシェワークスの戦い。ポールポジションはモルタラに見えた。がしかし、最終コーナーを立ち上がりフィニッシュライン手前で痛恨のスピンを喫し、PPはヴェアラインが獲得というどんでん返しがあった。

予選結果は1位ヴェアライン(ポルシェ)、2位モルタラ(MBEQ)、3位ロッテラー(ポルシェ)、4位ヴェルニュー(DS)、5位ダ・コスタ(DS)、6位デ・フリース(MBEQ)、7位フラインス(エンビジョン・アウディPU)、8位バンドーン(MBEQ)、9キャシディ(エンビジョン・アウディPU)、10位ギュンター(日産)となった。

決勝

決勝はクリーンにスタートが切られヴェアラインがホールショットを決めトップキープ。予選順位どおりに綺麗な隊列でスタートが切られ順調に周回を重ねる。パーマネントサーキットがスタート位置だっため、十分なコース幅があり混乱なくレースが始まったということだろう。

ポルシェの初優勝はワンツーフィニッシュで飾った

今回のアタックモードは4分間を2回使うことがマストで、レース時間はいつもと同じ45分+1周だ。なぜ周回数で管理していないのかは、レース距離が正確にわかってしまうためだ。距離がわかればエネルギーマネージメント力の競争にはならず、全チームが最適解をだしてしまい、レースにならなくなるからだ。今回のレースではこの45分+1周がある意味ドラマを生んだと言えるレースだったのだ。

レースは順調に周回を重ね、アタックモードを使って順位が入れ替わるシーンがあるものの、抜かれたマシンがアタックモードに入ると再び順位を取り返すという展開が続いた。そうはいいながらも、アタックモードで得られる250kWの出力はバッテリーの消耗につながるわけで、むやみに全開走行で抜きまくる展開をすれば、終盤に電欠してリタイヤになりかねない。そのため、各マシンともピットとの無線でエネルギーマネージメントをしながら、抜きつ抜かれつを展開する。

そした中、レース残り17分付近になると全車がアタックモードを使い切り、上位進出を目指し始める。トップのモルタラ、2位ヴェルニュー、3位ヴェアライン、4位ロッテラー、5位フラインスでトップ集団を形成するものの、エネルギー残量のマネージメントも入り、突然順位が入れ替わったりする展開もある。

残り11分になるとワンツーをポルシェが占め、モルタラ、フラインスとなりDSの2台が順位を落とす。ポルシェの2台は独走体制になり、ヴェアライン、ロッテラーの順で周回をこなす。残り4分になるとバッテリー残量と戦いながら3位争いも激化。フラインス、モルタラ、ヴェルニュー、ダ・コスタで競い、ポルシェは8秒のリードを築いた。

ところが、残り1分を切って残り1周となるはずだったが、トップのヴェアラインはフィニッシュラインをレース終了1秒前に横切り、土壇場で残り2周になるというトリッキーなことが起こり、各チームともエネルギーマネージメントが苦しくなってしまった。

ポルシェは独走していたので、あえて1周増やす必要はないように思われたが、結果、3位以下はスロー走行するマシンも現れ、最終ラップは順位が大きく入れ替わる結末を迎えたのだ。

結果、ヴェアライン、ロッテラーのポルシェがワンツーフィニッシュを決め、3位にヴェルニュー、4位ダ・コスタとDSテチータのマネージメント力を見せた。5位に沈んだモルタラ、6位デ・フリースという結果になった。

シリーズポイントではヴェンチューリのエドアルド・モルタラがリードしている

3戦終了した時点でのドライバーズチャンピオンポイントはトップ、モルタラ、2位デ・フリース、3位ヴェアライン、4位ロッテラー、5位ヴァンドーン、6位ヴェルニューとなった。

次戦の第4戦、第5戦はイタリア・ローマで4月9日、10日に開催される。

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