フォーミュラEシーズン7も折返しとなるレースがメキシコのプエブラで第8戦、9戦が開催された。例年のメキシコシティからプエブラへと移り、コースはパーマネントのサーキットコース。ストレートが長く、オーバルコースとインフィールドが組み合わされ、かつ荒れた路面での大会となった。
ここまでチャンピオンシップは混戦模様であり、だれもがチャンピオンシップのリーダーになれるチャンスがあるほどの僅差で争っている。そうした中、前戦のモナコで新パワーユニットへと変更された日産に期待はかかり、低迷している順位がどこまで盛り返すかが注目された。
そのチャンピオンシップは6位までが8点差で、トップのフラインスと2位ダ・コスタはわずか2ポイント。チームもメルセデスEQチームがトップではあるもののジャガーとはわずか2ポイント、3番手は、2年連続チャンピオンのDSテチータで、ポイント差はほぼ無いに等しい混戦で後半戦へと突入した。
ポールはポルシェのパスカル・ヴェアライン
予選では日産に期待がかかり、ローランドは2番手を確保。だがブエミは21位へと沈んだ。バレンシアでの公式テストに間に合わなかったことが影響しているとは言うものの、スーパーポールへの進出には期待が膨らむ。
スーパーポールは、ポルシェのヴェアラインが1位、2位ローランド、3位BMWのデニス、4位ヴェルニュー、5位ギュンター、6位モルタラとなった。そしてシリーズでポイント上位となるダ・コスタ、エバンス、デフリース、サムバード、ヴァンドーンらが軒並み下位に沈み、決勝の混戦が予想された。
ローランド失速の決勝スタート
決勝は、スタートで2番手のローランドが失速。14番手まで大きく順位を落とし、またキャシディもオープニングラップでクラッシュをし,早々にリタイヤしている。ロッテラーは、同じポルシェのヴェアラインがポールを獲得しているにも関わらず、予選10位と振るわない。
一方、ブエミはマシンの調子が悪いため、ペナルティ覚悟で決勝にはパワーユニットを総取り替えを実施。10秒のストップ&ゴ−ペナルティを受けているため、戦線からは離脱していた。
レースはローランドの失速の隙きに5番手のギュンターが2位浮上。順位はヴェアライン、ギュンター、デニスとBMWが2位、3位を。そしてヴェルニュー、モルタラ、シムスと続く。
レース再開後もヴェアラインは終始安定しトップを走行。2、3位もBMWの2台がキープする展開で4位以下をヴェルニュー、ディグラッシ、シムス、モルタラらが争う形となった。レース開始20分の時点でヴェアラインは2回目のアタックモードを使い、トップを快走。一方、4番手争いのヴェルニューがクラッシュしリタイヤを喫した。
下位ではフラインスが止まりきれずにデ・フリースに当たるアクシデントで10秒ペナルティを受けている。またサム・バードも18番スタートから8位まで回復するなど、ポイント上位陣が徐々に順位を上げてきていた。しかしながらトップ6までには届かず、レースはヴェアライン、ギュンター、デニス、モルタラ、ディグラッシで争われ終盤を迎えた。
残り12分の時点でヴェアライン、ギュンター、デニスまでは変わらず、ヴェンチューリのモルタラが入り、ディグラッシ、エバンス、ラスト、シムス、ダ・コスタ、リンと続いた。ヴァンドーンも11位まで順位を回復している。が、モルタラとディグラッシはアグレッシブにアタックし、ギュンターを2台同時に交わした。
残り2分でディグラッシはモルタラも交わし、さらにアウディのラストもモルタラを交わすことに成功。最後チェンカーは、トップがヴェアライン、2位ディグラッシ、3位ラスト、4位モルタラとなった。だが、チェッカー直後にヴェアラインのポルシェは技術規定違反の裁定が下され、失格となった。
優勝は2年ぶりのルーカス・ディグラッシ、そして自身最高位の2位レネ・ラストでアウディのワンツーフィニッシュとなった。3位はメルセデスのパワーユニットを使うヴェンチューリのエドアルド・モルタラという順位となった。また、ポルシェと日産の4台には、技術規定違反がくだされている。次戦の第9戦は、同じメキシコ・プエブラで第8戦の翌日に予選・決勝が行われる。